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映画「タクシードライバー」 4.0点

評価:4.0点(5点満点)
公開:1976年
監督:マーティン・スコセッシ
主演:ロバート・デ・ニーロ
制作:マイケル・フィリップス

この映画は、第29回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品らしい。

すごく評価を受けている名作ということだ。事前にそのような情報を知りたくないので、このことは観終わってから知った。

観終わってから色んな人の映画評を見た。意味不明な主人公の行動に対して色んな意味付けをしていたが、どれもしっくりこなかった。

私としては、そもそもこの脚本自体に明確な動機とか理論性を感じられなかったし、この主人公がやったことを正当化することもできないと思う。

それでも何故4点という高評価なのかというと、作品の意味よりも演出の部分が響いたからだ。

ずるいよ、この過剰にムーディーな音楽と撮影技法。そしてロバート・デ・ニーロの演技。中身があるようで無いが、ちょっと聞いてしまう会話・間・セリフ。

序盤、やってることは単に若者がタクシー会社に就職して仕事してるだけの、タクシーの運ちゃんの単なる日常なのに、何このオシャレさは笑

このギャップがこの作品の魅力になっていると思う。

ベトナム戦争帰りで、不眠症だという。そこには色んな思いがあるだろう。しかし観ている我々には内心を想像してもしきれない。つまり主人公がどのような感覚で人生を過ごしているかちょっと想像が及ばない。

そんな中で女性をぐいぐいナンパしたり、いきなり初デートでポルノ映画に連れて行ったりと、何を考えているのか分からない主人公。

戦争のトラウマや後遺症があって不眠症だからって、一目惚れした大好きな女性を初デートでポルノ映画に連れて行くか?

でも、その訳のわからなさも、この主人公が「次何するか分からない・何を目的としているのか分からない」ということと、ムーディーな音楽とオシャレな映像、なんとなく聞いてしまう会話やロバート・デ・ニーロの表情、そして時折急に不穏になるBGM、とが相まって見続けてしまう。

この映画は多くの人に評価されるようなものでは無いのではないか?

でも私にとっては、他の映画には無い魅力を持った映画でした。後味が決していいわけでは無いし、色んな矛盾点を抱えているけども、独特の魅力を持った、つい見てしまうそういう作品。

音楽で言えば、歌詞はところどころ支離滅裂で意味わかんないけど、曲がいいし気持ちいい、みたいな。観れてよかった。




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