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ありがとう、セガサミーフェニックス

騒ぎがやや沈静化してきて、自分の頭も冷えたので書きます。
それでも書きたい分量が多すぎるため、泣く泣く割愛されている部分も多々あると思っていただけると嬉しいです。

私はMリーグ発足当初からセガサミーフェニックスの公式サポーターに登録し、ずっと応援してきました。

その理由はMリーグ最初のドラフト会議で
1位指名:魚谷侑未 選手
2位指名:近藤誠一 選手
3位指名:茅森早香 選手
というメンバーを選出したことに尽きます。

セガサミーフェニックスのスポンサー企業「セガサミーホールディングス」傘下の「セガゲームス」は「MJ」という麻雀ゲームを運営していますが、魚谷選手・東城選手の所属する「日本プロ麻雀連盟」の選手は1人も「MJ」に参戦していません。

それを一切顧みず、魚谷選手を1位指名したセガサミーフェニックスというチームはすごいなぁ、懐が深いなぁ・・・と思ったのが第一印象でした。

◆魚谷侑未 選手


もっとも私は、それ以前から「最速マーメイド」こと魚谷さんの大ファンでした。
きっかけは麻雀番組「MONDO王座決定戦」で魚谷さんが三連覇を果たした頃だったでしょうか。
麻雀に賭ける熱意がすごいなぁ、と気になってブログなどをチェックしたとき、ご自身の対局についてかなり詳細な検討をしている記事が投稿されていたことで衝撃を受けました。
その後は魚谷さんと対局したいがためにスケジュールを調整し、雀荘ゲストの日に遠方まで行ったりもして何度か同卓でき、お話もさせていただき、プロとして既に第一線の方なのに謙虚で丁寧な対応をしてもらってその姿勢にも心を打たれました。

MリーグではMVPを獲得した年もありました。
しかしトータルでは「何故?」というくらい結果が付いてこない・・・。

それについては我々もそうですが、ご自身はそれ以上に忸怩たる想いを抱えていたのではと思います。

それでもなお。

不運にもダントツでラス目の一戦、オーラスに高打点を和了って素点を回復したり。

オーラス100点差でまくってトップをもぎ取ったり。

ファイナルの優勝がかかったリーチ後、流局まで祈るように、泣きそうになりながらツモを続けていたり・・・。

2019-2020シーズン ファイナル最終戦オーラス

そんな姿に心を打たれました。

魚谷さんはその後もタイトル戦に挑み続け、たびたび優勝し、今では前人未到に近い領域の存在になってしまいました。直近での麻雀プロとしての実績・実力は男女関係なく、圧倒的ナンバーワンだと思います。

◆近藤誠一 選手


また、近藤誠一さんも気になる存在でした。
所属する「最高位戦日本プロ麻雀協会」の「最高位」タイトルを4回も制覇し、竹書房主催の「最強位戦」でも優勝。
サウスポーから繰り出す「執念の一打」は理屈を吹っ飛ばして観る者を熱くさせるものがありました。Mリーグの対局でもその執念は如何なく発揮され、サポーターを何度も何度も熱狂させてくれました。

信じられない手順で大三元をツモったとき。

当たり牌と確信する牌を掴んでしまって顔を歪めても、勝利のためにそれを切って放銃したとき。

ファイナルで瑞原選手の対々和三暗刻ドラ3(ツモり四暗刻)の当たり牌、一索を一瞬で止めたとき。

1sビタ止め

チームが崖っぷち状態での登板でオーラス、倍満ツモ条件のリーチをツモり、震える手で裏ドラをめくったとき・・・。

手に汗握る闘牌、苦悩、驚愕、感動・・・。
麻雀の中継でこれほどまでに私の心を動かしてくれたのは、魚谷さんと近藤さんだけです。

◆茅森早香 選手

茅森早香さんもMONDOなどでお見かけしており、クールな印象で魅力的な方だなぁと思っていました。
Mリーグ発足の話が出る前に、池袋のバーや梶本琢程プロ主催のオフ会に参加してお会いしたことがあり、お酒を飲むとテンションが上がって普段とのギャップがあるのが面白いなぁと思っていました。

さや姉ω

Mリーグ開幕後にはYoutubeで「さやちゃんねるω」を開設し、誠一さんを初めフェニックスメンバーも度々ゲストで登場してゲーム企画や雑談を配信してくれました。あの場でしか聞けないような誠一さんの麻雀談義も聞けて嬉しかったです。

その後、追加メンバーで入った「超攻撃型アマゾネス」こと和久津晶さん。
それぞれマイペースなメンバーが揃っている中、チーム内の潤滑油として素晴らしい気遣いをされていました。
その和久津さんが退団となり、新規に指名されたのが東城りおさんでした。

◆東城りお 選手


東城さんは公私ともに魚谷さんと仲良しで、一緒にYoutubeで「りおみんちゃんねる」を配信されています。
「ミス・パーフェクト」と称されるルックスと明るいキャラクターは、チームの雰囲気を良くしてくれてました。
麻雀は面前・高打点が主体の打ち方で、展開がハマると一気に高得点を叩き出してトップを獲る場面がたびたびありました。

誠一さん・茅森さん・魚谷さん・東城さんの4人を
「お父ちゃんと三人娘」
というファミリーに喩えていたのは面白く、親近感を覚えました。

東城さん加入後にはコロナ禍も少しずつ落ち着き始め、セガサミー本社でのパブリックビューイングが開催されたときは参加しました。
選手の皆さんと一緒に対局を応援し、またお酒を飲んでご機嫌な誠一さんも生で見ることができてとても楽しい時間でした。

青天の霹靂


しかし、先日発表された衝撃のニュース。

魚谷侑未選手、東城りお選手
セガサミーフェニックスを退団。

私の中ではまったく予想していなかっただけに、まさに「青天の霹靂」でした。

「セガサミーフェニックス」は決して成績の良いチームではありません。
ファイナルで準優勝したことは2回ありますが、それ以外の年度は最下位争いを演じている状態でした。
私は常々、麻雀プロ、しかもMリーグに選ばれるようなトッププロの自負があるのであれば、打つ半荘数が限られていることを言い訳にして欲しくないと思っています。
もちろん運に左右されるので上振れ、下振れがないとは言いませんが・・・

そんな状態でも、疑わずに応援することができるチームってそんなにないと思うんですよね。

ファイナル最終戦、優勝への現実的な条件がある中で戦っていた魚谷さん、誠一さん。
観ている私はもう、言葉にならなかった。
あの時、卓上で震えていたお2人の手。そして悔し涙。一生忘れないと思います。

そして昨年、誠一さんは健康面の理由で選手を勇退され、監督に就任されました。
新メンバーには「先切り十段」醍醐大選手が加入しました。

誠一さんご自身の麻雀で優勝シャーレを手にしたかった想い。それは選手の皆さん、取り分けチーム発足当初からの不動のエース・魚谷さんに託されました。

しかし・・・
チーム(と言うかスポンサー)自身がそのストーリーを放棄するというのは・・・
色んな事情があるのでしょうけれども・・・

納得できるものではない。

少なくとも私からは「ほぼ、全てにおいて悪手」に見えます。
というか何がプラスに働くのかが全く見えない。
ビジネス面でも企業の評判を下げ、広告面でも、チームの人気・実力の面でも、すべてマイナス効果ではないかと・・・。

なので、これはもう、私が6年間熱狂した「セガサミーフェニックス」ではないのです。

連盟+最高位戦。
女性3名+男性1名。

こんなチーム、他になかったのに・・・。
名前は同じでも、どこかの知らないチームになってしまいました。

6年という長い間、楽しませていただいてありがとうございました。
私は公式サポーター登録を終了しました。

なお、近藤誠一監督、茅森早香選手、醍醐大選手、チーム運営の皆さんに含むものは何もありません。今後のご活躍を願います。

私もしばらくはMリーグから離れ、再び魚谷さん、東城さんがどこかのチームに指名されたらまた応援したいと思います。


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