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パキポディウム 

 アガベの流行と同じく、塊根植物であるパキポディウムも大変人気となっていて、特にトゲが目立たず丸いボディが目立つ「グラキリス種」は値段も高騰しているようで、大きな株などは簡単には入手できない状況です。
 パキポディウムは、アフリカ、マダガスカルに産する植物でキョウチクトウの仲間で、アデニウムと親戚のようなものですが、一般に成長は遅く大株に仕立てるのはかなりの年月が必要なようです。
 我が家で播種したホロンベンセの一個体は、2年以内の株でも開花したこともあり、株の大きさと植物としての成熟は別物のようで、この点はアガベの少なくとも数十倍の速度で成熟するということでしょうか。もっとも開花したからと言って枯死することもないようなので、アガベの開花の方が植物としては特殊なのでしょう。
 上の写真は、「咲くやこの花館」のラメレイです。これだけの大きさでも鉢植えで管理されているのは流石としか言いようがなく、うらやましいかぎりですね。

播種の翌々年に開花した花。残念ながら結実はしなかった。

 パキポディウムは、種類の多さという点ではアガベに比べると少なく、形状の変異は柱状、塊根状のものの二種類になるようです。
 柱状の代表というか、普及種と言えるのはラメレイで、一部のホームセンターや場合によっては100円均一ショップなどでも見かけることがあります。高級な柱状種としてはバロニーやその変種のウインゾリーが君臨し、それ以外にはラメレイに似たミケア、ゲアイ(アアソウカイ)、ルテンベルギアなどがあります。

咲くやこの花館のゲアイ(アアソウカイ)この大きさは何年目だろうか。

 塊根種としてはグラキリスのほか、ホロンベンセ、恵比寿笑いなどがあり、大きなホームセンターや専門店に並んでいます。

 パキポディウムの実生はこれまでの経験からするとアガベに比べると少々難しいように思います。まず、発芽については博打のようなもので、どうやら種子の鮮度が発芽率に大きく影響するらしく、鮮度が良ければほぼ100パーセント発芽するのに対し、そうでないものはひどい場合は0、良くても10パーセント台だったりします。また、播種前の処理や播種後の環境にもよるのでしょうが、種子が非常にカビやすく、ちょっと油断するとすぐに糸状のカビが発生し、発芽以前に種子の中身がミルクのようになって腐敗することが多いです。

無事に発芽したルテンベルギア。双葉が大きい。
コケの海の中でも健気に発芽したホロンベンセ

 発芽後も油断はできません。本葉が展張したころを見計らって上手く鉢上げし、ある程度の大きさになったところで黒い斑点が発生し、全滅してしまったこともありました。アガベでここまでひどい結果となることはありませんでした。パキポディウムは病気というか、菌類に弱いのではないかとおもいます。アガベが丈夫すぎなのかもしれませんが。

 それでは、我が家で育成中のパキポ達を紹介します。

ようやくここまで成長したバロニー。一株だけの生き残りです。
実生2年を経過したソフィエンセ 頂部の生長点は昨冬の寒波で傷んで側枝がでています。
1年目のラメレイ。この時期から群生の気配が。
ソフィエンセとラメレイ。夏の盛りで軽く遮光しています。
無加温ハウス内での地植えにチャレンジ中のラメレイ。
ハウス内で大事に育てているミケア。これも一株だけになってしまいました。


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