コント『雑魚の防具』『限界』の解説
コント『雑魚の防具』『限界』
脚本・演出 高山 銀平
『雑魚の防具』
2006年6月 カカフカカ企画第16回本公演『ドラ、え?も、ん…』にて上演
『限界』
2006年11月 カカフカカ企画第17回本公演『開げーっ!!ボンギッギーッ!!』にて上演
(二本ともにカカフカカベストコント黎明編に収録)
『雑魚の防具』について
これもまた幼い頃からの疑問をコントにしたものの一つです。
北斗の拳のアニメを見ながら、世紀末の世界に蔓延る悪人たちは、
なぜ自らにも危険な、いや、一番危険なのは最早自分自身ではなかろうかというような格好をしているのだろうと。
腕にトゲトゲがある者が一息つきながら額の汗を拭おうものならその拍子に自らの目を潰してしまわないだろうか。
肩にトゲトゲがある者がよろけた時に、
隣の仲間(こちらもトゲトゲ)がサッと支えでもしようものなら互いに怪我をさせ合ってしまわないだろうか。
この先のストーリーが頭に入ってくるわけがありません。
冒頭の
「悪い奴らだぁー!悪い奴らが来たぞー!」
というセリフは、北斗の拳のパロディには必ず使っていたセリフです。
他にもヒーローものなどでは、怪人が大きな赤いボタン装置を指さしながら、
「これで人間はおしまいだー!わーはっはーっ!」
「待てー!」
も、あります。
一つ目のセリフで設定や状況がすぐにわかるのもカカフカカ企画のコントの特徴です。
『限界』について
《あの人を肩に乗せているあり得ないほど大きいキャラが実は現実的な大きさだったら》
では他のキャラクターたちにただただ取り留めない話を延々とさせてみよう。
そのキャラの役者は特に何もせず、ただ重さを耐えるだけ。
これを思い付いたときに、僕は胸の高鳴りが抑えられないほど興奮したことを覚えています。
ただ、これがお客様にとって面白いのか、自分の勘違いだったら、、、
杞憂でした。
そうです。人間というのは残酷な生き物なのです。
この《人を持ち上げるだけのシリーズ》は毎公演のように設定とセリフを変えて近年まで伝統のように続くのでした。
またご紹介致しますのでお楽しみに。
オチで僕が言うセリフ、
「重くて死んじゃうくらいなら下ろせばいいのにぃー!」
はお気に入りのツッコミです。
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