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【政策参与のおはなし(その2)】日野町DXの推進について(2021年4月19日日野町町長記者会見)


今回のおはなしの経緯

政策参与の委嘱をいただいたので、定例記者会見で取り組みの方向性についてお話をしました。

発表項目の建て付けとしては「新たな人事面での取り組み」ということで、

政策参与の他に、

・新規採用職員研修

・日野町職員スタートガイドブック

についても情報提供されました。

記者会見資料リード文

日野町においては、令和3年4月1日からスタートした「第6次日野町総合計画」に基づき、「時代の変化に対応し だれもが輝き ともに創るまち"日野"」を実現するため、各種の施策を推進していくこととしています。
そのため、令和3年4月1日から総務課内に専門的な知識を有する外部人材を政策参与(非常勤特別職)として委嘱し、自治体DXへの対応、職員の育成、業務効率の改善および地域課題に対するデータによるアプローチ等、日野町ならではのデジタル・トランスフォーメーション「日野町DX」を推進してまいります。
折しも、国においてはデジタル庁の創設など行政のデジタル化を集中的にすすめているほか、滋賀県においても「スマート自治体滋賀モデル」構築のため、ワンストップ行政サービスの実現と内部事務の省力化を目指して、県内自治体との共同開発を進めることとされているところであり、当町においてもこうした流れに的確に対応してまいります。

おはなし本編

映像はこちらからご覧いただけます

はじめに

このたび、4月1日付けで政策参与に委嘱いただきました、東健二郎でございます。せっかくの機会ですので、お手元に配布させていただきました資料に基づいて説明させていただきます。

本来ですと、そちらにお伺いしてご説明するべきところなんですが、私、京都市内住んでおります。皆さんご存知の通り、京都においては、まん延防止等重点措置に区域指定されていて、都道府県間の間の往来を自粛するよう言われております。通常であれば、「4月1日から委嘱されたのに出勤できないのか」みたいな話になるのかもしれませんが、こうしてオンラインでこれまで役場の方とはやりとりをしたり、行かないといけないときは役場には行っております。

また、今後「新しい働き方」とまで大げさに申し上げるつもりはありませんが、こうしたいろんな方々とのコミュニケーションの手段が、デジタルを使ってできるようになっていく、そうしたことは私は今日は記者会見の場でさせていただいておりますが、「具体的にこうやったらこういったことができるな」っていうことを役場の方にも体験していただく、そういったところがまず重要だなと思います。

「できるだろう」ではなくて、具体的に「こうできる」、「これを使ったらどうできる」みたいなことを、具体的に考えていくということが必要だと思いますので、今回はこの場をお借りしてでありますが、記者会見もこうした形で遠隔ですることとしました。ただ、今日初めてということですので、いろいろ課題が出てくるかもしれませんが、そうしたことも皆で考えて改善していこうと思っております。

3つのD

前置きは以上でありまして、私が4月から何をしていくか、を配布資料に基づいて少しご説明させていただきます。デジタル化の流れがあるとはいえ、あくまで、この4月からスタートした第6次の町総合計画の実現に際して、デザイン・データ・デジタル、3つのDと申し上げておりますが、これを活用するということで、どこまでいっても総合計画の実現のためであります。

その3つのDでありますが、まず一番大切だと思っているのは、デジタルではなくて、私はデザインだと思っています。

(1)デザイン
総合計画の将来像に向かっていくための仕組み(政策立案プロセス・組織体制)をつくる

このデザインは、やや説明が難しくなるかもしれませんが、よくある「デザインがいいね」と言うと、見た目が見目麗しいとか、機能が何か優れているといった、「モノに対するデザイン」みたいな感じをお持ちかもしれません。本来の意味はもう少し広い意味です。

今回の政策参与の仕事の内容と合わせて考えますと、総合計画の将来像、それに向かっていくために必要な仕組みです。

それがかっこいいかどうかっていう話ではなくて、しっかり作られるかどうかっていうことを、大切にしたいと思います。具体的な仕組みとしては、総合計画を実現していくための政策、今年度も新しい予算をご承認いただいてこれまでもやっているところですが、このプロセスを今の時代に合わせた形に作り直すことも重要でありますし、そのために、先ほど公共交通の政策でプロジェクトチームを作ったとありましたけれども、それにふさわしい組織体制、これは職員さんのスキルみたいなことも含められますが、そうした「ヒト・モノ・カネ」の仕組みをしっかり作っていくことが重要であると思います。

(2)データ
業務を効率的・効果的に遂行する基本 & 個人情報の保護・セキュリティを確保する

残りの二つは、その中に含まれる話でもありますけれども、2つ目のDがデータであります。データは皆さんイメージあると思いますけれども、これは実際の役場の仕事にとってデータをどう具体的に活かすかということで申し上げますと、2つあります。

1つは業務を効率的に効果的にするためには必要で、まさにその基本であるということ。

そしてもう一つは、「データとかデジタルとか言うけどそれって大丈夫なの?」っていうご懸念あると思います。これは当然でありまして、個人情報の保護であるとか、セキュリティこれまでも役場ではしっかりやっていると思いますが、今回のような取り組みを進めていく際、これがおざなりになってはいけない、というように一番重要だと思います。

(3)デジタル
地に足のついたデジタル(今日が手始め)、1人ひとりに寄り添ったサービスの提供

最後のD、デジタルはですね、何か最新の技術を使おうみたいな話に聞こえるかもしれません。しかし重要なのは、例えば今日の会見では、ややちょっとカメラの距離が離れているので、対面のようなものというより話を聞いているという雰囲気はありますけれども、とはいえですね、本来であればコロナ禍の状況で、役場に行けないとかですね、欠席して資料配布に代えさせていただく、という形式的なことで済ませてしまうのではなく、こうしたオンラインツールを使うことで、少しでも私は「こう考えます。」と直接考えをお伝えしたり、あるいは皆さん方からご質問いただいてやりとりしたりする、こうしたことを実現するために今便利なツールがある訳です。そういったものはしっかり使っていこうということであります。

そしてその先に、住民の皆さんも普段から使われているものもあるでしょうし、またまだ使えないっていう状況もあると思います。そうした中で、「何でもいいから皆さん使おう」ではなくて、「使えるようになるにはどうしたらいいか」っていうことも含めて、考えていく。これはデザインでもあり、デジタルの可能性でもあると思っています。

大切にしたい考え方

以上の3つの観点で考える際に、私が大切にしていきたい考え方として、こちらも3つです。

(1)ともに考え、ともにつくる
答えは与えられていないし、役場だけで考えない。手触りのあるレベルや現場で具体的に考えて、実際にやってみる。

1つ目は、「ともに考え、ともにつくる」です。

これは所属しております一般社団法人コード・フォー・ジャパンのモットーでもあります。

行政が考える、あるいは住民さんが考えたことを行政に何かリクエストするっていうような関係だけではなくて、地域の課題あるいは役所の中の課題は、みんなで考えようっていうことです。また、みんなで考えたあとも、「それはあなたの仕事ね」っていうことじゃなくて、「みんなでつくっていこう」ということです。総合計画の中にもこうした考えが入っていると思いますが、みんなでつくる、共創の考え方というのが大切だと思います。

(2)仕事を比較・俯瞰すること
仕事が縦割りになるのは組織として当然だが、それをいかに俯瞰する視点を持てるか。
前後の仕事や、役場内外で関わっている人たちのことをきちんと考えられるかどうか。

2つ目以降は、参与として、少し職員の皆さんとは違った立場として期待されてことかなと思います。

まずは、仕事を俯瞰するということであります。役場は組織ごとにわかれて仕事をする一方で、私のような外部の人間が、俯瞰した目で見て、「これとこれは関連しているから一緒に進めましょう」というようなことも、時にはアドバイスする必要があると思います。また、職員一人一人もそうした視点をぜひ持っていただきたいと思います。総合計画を進める上で、どうしても自分たちだけでは難しいということがあると思いますので、それは俯瞰した立場で、それぞれみんなで考えていくことが重要だと思います。

(3)職員が安心して仕事を続けることができる・能力を向上できること
自治体DXの根幹は、職員の意識改革。
公務員として活き活きと業務に従事できるスキル・環境を整備することが大切。

また、そうしたことを続けることによってですね、公務員の現場、私も公務員やっておりましたのでわかりますけれども、結構やはり仕事が増えています。体制もなかなか少なくて、厳しい状況下ではありますけれども、そうした中で、志を持って仕事を続ける職員さんにおってですね、安心して仕事ができる場所であり、あとここで働き続けることが自分の成長にもつながると。それがひいては住民さんの幸せにも繋がっていく、こうした好循環をつくるために私もやっていきたいと思っております。

「まあ、座りなよ」の精神
政策参与の席の隣に椅子がありますので、どうぞいらしてください。

それを一言で言うとですね、参与ということで、何かいろいろ教えてくださいということになるかもしれませんが、私これ同じように他の自治体で、デジタルの関係の人材で活躍されている所から教えてもらって、いいなと思った言葉なんですが、「まあ、座りなよ」ということですね。

まず話を聞きましょうと、いろいろお話してみましょうというふうに思ってまして、ぜひ記者の皆さんもですね、私は総務課、席があるんですが、隣に椅子が置いております。ちょっと見に来たよってことでも結構ですので、ぜひいらしていろんな話をさせていただければと思います。

これまでの活動

・4月5日主監・課長会議において、考え方の伝達

最後に、とは言っても、具体的に何してるのっていうことで、ちょくちょく、不定期でありますけれども、役場にもお伺いしてですね、例えば主監・課長会議で今申し上げたようなことは伝達させていただいてます。

またその内容は、お手元のブログの中に今後も「政策参与のおはなし」みたいな形で記事にして、いろんな方にも見ていただけるようにしたいと思っています。

・各種会議出席・職員相談への対応、総務課とこれからの進め方の検討

またいろんな相談も受けてはじめていて、総務課の皆さんといろいろ話をして、これからどういうプロジェクトとして始めて行くかということも検討しているところです。

少し長くなりましたけれども、私のご挨拶と、これがどうしたことをしていくかについてお話させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

(参考)「政策参与のおはなし」について

2021年4月より、滋賀県日野町の「政策参与」を勤めることになりました。

これは、2021年度の日野町当初予算に「自治体DXへの対応と業務効率の改善を図るための非常勤職員配置」として、政策参与を配置することによるものです。

これから日野町のみなさんといろいろなことをやるにあたって、折々に「政策参与のおはなし」と題したトピックスをご紹介するマガジンです。


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