知っておきたい英語の類義語


 どの言語にも言えることだと思いますが、意味は同じでもここで使うべきなのはこっち!というように使い分けてる言葉ってありますよね。母国語であればいちいち考えこまず、これまでの経験や感覚で、これだ!というものを瞬時に選んで使いこなせるのですが、そうでない場合はなかなか簡単ではありません。英語が話される地域には移民が多い場合がほとんどなので、さまざまな訛りがあるのが日常化されています。

 そのため発音や訛りに関しては、私たち日本人よりも寛容ですが、だからこそ、彼らにとって会話中に違和感を覚えるのは、「自然な単語を使っているかどうか」というポイントが大きいと言えるでしょう。
 これから、高頻度で使われる同じ意味を持つ単語と、それぞれが含んでいるニュアンスの違いについて紹介していきますね。


・see / look at / watch

 どれも日本語では「見る」と覚えますね。ひとつずつ見ていきましょう。
 まず"see"は、「見る」というよりも「見える」という感覚が近いです。見たくなくても見える、見ようとしなくても目に入ってくるというようなニュアンスです。

ex) I saw he was in the park.
 (彼が公園にいるのを見たよ。)

これは、「公園にいる彼」を見ようと思って見た訳ではないですね。たまたま目に入ったことを説明している使い方です。
 少し感覚を掴むのが難しいところで言うと、映画館に行って映画を鑑賞する時にも"see"を用います。

ex) We saw a movie yesterday.
 (私たちは昨日映画館で映画を観た。)

この場合には、わざわざ"at the theater"「映画館で」という説明を加えなくても、"see a movie"が映画館で観るという意味を示してくれます。つけても問題はありませんが、少しくどくなったり、「映画館」を強調している理由があるのかな?と疑問を持たれたりする可能性もあります。映画館にいると、目の前にスクリーンがあり、映画は自然と目に入ってきますよね。ひとつのスクリーンで画面割りされていて、どれを観よう、といったような状況ではないので、"see"が自然です。ちなみに、映画はアメリカでは"movie"、イギリスでは"film"。映画館はアメリカでは"theater"、イギリスでは"cinema"が一般的です。

 "look at"は「目を向ける」という意味で、意識してそちらの方を見る時に使われます。ですが、"at"がなくなり、後ろに形容詞がつくと、「〜に見える」という意味にもなります。

ex) You look tired. Are you OK?
 (疲れてそうだね。大丈夫?)

 そして"watch"ですが、主に動いているものを見る時に使います。例えば、スポーツ観戦をする時、人の行動を見張る時、何かを注意深く見る時などです。エスカレーターなどでアナウンスされている"Watch your step."は直訳すると「足元を見て」ですが、"watch"の持つニュアンスを鑑みると、「足元に注意してお気をつけください」と意訳されます。
 また、映画を観る時に使うと、「家で」観るという意味になりますので、映画に誘う時、誘われる時には、"see"と"watch"、「映画館」か「家」どちらなのか、ミスコミュニケーションを避ける為に注意が必要です。


・similar / look like / take after

 「似ている」という意味を持つ単語です。"similar"は、日本語では「同類の、類似した」という意味で、意見や価値観、趣味など、共通点がある場合に使われることが多いです。

ex) We have similar tastes in fashion.
 (私たち、ファッションの好みが似てるね。)

 "look like"は、"look"の部分からもわかるように、見てわかるもの、即ち外見が似ている場合に使われます。

ex) My boyfriend is look like Sho Hirano.
 (私の彼、平野紫耀くんに似てるの。)

 "take after"も「似ている」という意味ですが、これは血縁関係にある間柄にしか使えない特殊なパターンです。どんなにそっくりであったとしても、全くの他人との比較で使ってしまうと、血縁関係があると誤解されてしまうので、注意してくださいね!


・talk / speak

 どちらも「話す」という意味ですね。この2つの違いは、簡単に言うと、前者は相手がいること、後者は相手がいなくても1人でできることです。会話する時は相手がいないと成立しません。そのため、誰かと話すときには"talk"です。どの言語を話すか伝える時、聞く時には、その言語を話すこと自体には相手は必須ではないので"speak"を使います。講演や演説で一方的に話す場合も"speak"です。
 "talk"は会話と説明しましたが、前置詞が違うとニュアンスも変わるので注意してください。

ex) I have something to talk to you.
 (言いたいことがあるんだけど。)

I have something to talk with.
 (話したいことがあるの。)

 この2つの違いです。"to"を使うと、私が話し手であなたが聞き手、というような構図になるので、言われた方は少しドキッとするかもしれません。実際に私も友人に話しかける時に言ってしまい、構えられてしまったことがあります。ただ単に話したいことがある場合、相手に何か強く言う訳ではない場合は、"with"を使うのがおすすめです!

 意味が似ている単語はとても多いので、全てを覚えるのはまず不可能ですよね。ですが、例文をヒントに考えたり、使用例や解説を見たりする過程で知識を深めていきましょう。

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