今日

いつもと同じ時間に起きる。

いつもの朝ご飯をテレビの音と共に書き込む。

いつもの学生服の袖に腕を通す。

いつものように家を出る。

今日は暖かい気がする。


いつものように教室に入る。

いつものメンバーが声を掛けてくれる。

いつも通りにチャイムが鳴る。

いつも通りに先生が話を始める。

今日の天気は晴れだ。


今日は特別な気持ちで体育館に入る。

特別な人が特別な言葉をくれる。

特別な表情をこちらに見せてくれる。

今日は特別暖かい春の日だ。


明日はいつもと同じ時間に起きない。

いつもの学生服も着ない。

いつもの時間に家も出ない。

暖かさは感じることもない。


いつもの教室ももう入らない。

いつものメンバーはそこにはいない。

いつもの時間のチャイムは聞こえない。

いつもの先生の声はもう聞けない。

明日は春の日だろうか?


でも、明日は別のことが起きるかもしれない。

朝テレビをつけたら違う番組かもしれない。

家かた出たら太陽が照りつけてくる時間かもしれない。

家の近くのスーパーで友達に会うかもしれない。

フラッと入ったお店で先生が飲みつぶれているかもしれない。


いつもは今日で終わり。


でもいつものない日々も楽しそうじゃん。


『いつも』って大事なものだったんだと気づくのは大体失ったあとだ。


でも失うことが悪いわけじゃない。


失って得る新しい『いつも』が見えるじゃないか。


また新しい『いつも』を作っていく。


これは死ぬまでに私に課せられた使命だ。

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