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PCを初期化した。

会社を辞めて、来月からフリーランスになるということで、プライベートの Macbook Pro を綺麗さっぱり初期化した。

普段、会社から貸与されたPCを使っていたためにプライベートのMacbook Pro を利用する機会はほとんどなく、たまにこういった文章を書きつけるときにだけ取り出してキーボードを叩いていた。転職して半年ほど経った頃に買って、もう2年が経った。

発表直後のM1 Proを選び、メモリも32GB積んで自分で買ったPCとしては過去最高スペックを記録していたというのに、ほとんどそのスペックを活かすことはなく、バカに高級なワープロマシンと化していたこの子。大したものは入れていないけれど、逆に使わなすぎるあまり扱いが適当になったせいで何をインストールしていたかも覚えておらず、それがどうも気持ちが悪かったのでこの機会にと初期化した。

さっぱりした顔のPCを開くと、ちょっと心がウズっとする。買いたてのノートを開いた時の「めっちゃ綺麗に書いたるぞ」という密かな誓いのように「めっちゃいい感じにセットアップしたるぞ」という心持ちになる。どうせすぐにぐっちゃぐちゃになるのは知っているのだが、少しでも手に馴染み、少しでも美しく、少しでも使いやすい形に仕上げてやろうというお気持ちが湧き上がってくるのはなんでしょうかねぇ。

せっかくなら、と、色々モダンっぽいものを入れてみた。ここ数年、使うアプリケーションにそう大きな変化はなかったのだけど、じわじわと使い始めていた便利そうなツールたちをいっそスタメンにしてやろうかと思い、さっぱり入れ替えてみた。

  • ターミナル: iTerm2 -> Warp

  • エディタ: Vim -> Cursor (サブで Vim も使う)

  • ランチャー: Alfred -> Raycast

  • ブラウザ: Chrome -> Arc

全部のツールに言えることだが、AI機能の充実度合いがすごい。簡易的なセットアップでの使い勝手の良さと、使い倒したい場合のカスタマイズ性の良さもえげつない。相互の連携機能がデフォルトで用意されており、なんというか「わかっている」感がそこかしこにある。

一応、新しく入れたものは大体前から触ってはいたけど、手ぐせが抜けなくてなんとなく普段使いのアプリに戻ってしまうところがあった。Warp とかは「コマンド入力する場所が一番下にある」のが気持ち悪くて一回触ったけど開かなくなった。iTermで別に困ってなかったのもある。でもせっかくなので、切り替えてみた。


初期化され、新しいアプリケーションのアイコンを並べたMacbook Pro はあまりにも見慣れない風貌をしていて面白い。気がつくと慣れたものばかりが並ぶようになってしまうものなんだなあと逆に思い知る。慣れているのは良いことかもしれないけれど、自分の最適化されたスピーディな所作を、あっさり置き去りにする新しいものを見逃しちゃう恐れもある。

AIとかまさにそうで、それぞれが組み込みで持っているAI機能を使うようになると、Google検索がアホらしくなってくる。なるべく検索はしたくない。質問方法が悪かったり、一歩広いコンテキストの側に解決策があったりする場合は仕方がないのでGoogle検索に頼ることもあるけど、気持ちの上では「めんどくさいなあ」という感じ。ドキュメントを読む時の面倒臭さに似ている。いや裏どりのためにはきちんとその辺やりますが。趣味のプログラムとか、効率化のための何かを作るとか、ざっくりした仮組をしたい時とか、もうAIの楽さがないのは辛い。それくらい当たり前のものになっているのが衝撃的。世界は変わりますなあ。自分も。

たまにツールの手入れをすることは、そういうことに気づける良さがある、というより、気づけない怖さをリセットする意味があるよなと思う。なるべく枯れたものを使う大切さもあるけど、なるべく新しいものに慣れておく大切さもある。木こりのジレンマに陥らないように。本当は常に研いで置けという話だけれども。たまにタイミングがあるならこういうことはやるべきだなあと思った次第。よく聞く話だけども改めて。

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