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デッドクロスになったからといって、すぐに売ろう、なんていうのは、もったいないし、無計画過ぎ。


デッドクロスになってしまった物件についての売却時期についてご相談を受けることがあります。

不動産投資の世界で「デッドクロス」、とは年間の「減価償却費」よりも「銀行への返済のうち元本の部分」が上回ることにより、実際のキャッシュフローよりも、所得税などの課税対象となる所得が上回ってしまう状態のことをいいます。

そのようなことは稀なことではなく、フルローンで物件を購入したような場合には、最初からそのような状態になってしまっていることが殆どです。
なぜなら、このようなフルローンの場合、借入金の元本の総額は土地・建物の金額を合計した金額になるのに対して、減価償却費の総額は、建物のみに限られるからです。
ローンの借入期間と減価償却の期間とが同じであれば、最初からデッドクロスになるのは当然です。
ローンの借入期間を減価償却期間より長く取ることにより、当初のデッドクロスを回避することはできますが、結局減価償却が終わった後には強烈なデッドクロスになってしまいます。

「デッドクロス」状態が進行していくと税引後キャッシュフローは毎年減っていき、得られたキャッシュフローでは所得税等が賄えないという事態に陥ってしまうことも少なくありません。

そのような場合にはすぐに売却した方がよいのでしょうか?

結論から言うと、一概に「売却した方がいいですよ。」とは言え無いのです。

確かに、毎年マイナスのキャッシュフローを計上していくのは、経済的にも、精神的にもつらいので、すぐに売却したくなってしまいます。

でも、投資を行う上で重要なのは、購入、運営、売却、の全体として収益を最大にすること。

たとえ、得られるキャッシュフローがマイナスの期間が続いてしまっていても、その期間、物件を保有することにより、売却した際の手残り金がキャッシュフローマイナス分の合計よりも大きくなるのであれば、投資としてはOKなのです。

キャッシュフローがマイナスになってしまうほど「デッドクロス」が進行している、ということは、年間銀行返済額のうち、元本返済部分が大きいということです。(銀行から送られてくるローン返済表を見て「毎年結構な額を銀行に支払っているのに、ほとんど元本が減っていない~」などと嘆くのと逆の状態)

毎年銀行に支払っている金額の多くが元本の返済に充てられている、という状態は、資産の増加からすると好ましい状態とも言えるのです。
家賃収入自体が減ってしまってキャッシュフローがマイナスになってしまう状態とは全く異なります。

デッドクロスが進行している状態を耐えて、その上で売却した方が、売却時の残債務がぐっと少なくなっている分、売却後の手残り金額は増えます。キャッシュフローがマイナスになったからといって、すぐに売却してしまうよりも、投資全体としては収益が向上する場合も多いのです。
売却を先延ばしにすることにより下落する売却価格とマイナスのキャッシュフローの合計よりも、ローン元本の返済額が上回れば、トータルでの手取り金額は増えるのです。例えば築20年のアパートと、築21年のアパート、他の条件が同じならば、売却価格はそんなに変わらないはずです。

大事なのは、購入時に、大体何年後くらいには税引き後キャッシュフローがマイナスになってしまうのか、を把握しておき、その状態を乗りきれるように資金なりを準備しておくことです。
デッドクロス、更には税引後キャッシュフローがいつマイナスになるか、
は、購入時に減価償却とローン返済の計算をしておくだけである程度予想できるものなのに、それをしないのは、あまりに怖いことです。

最近は見かけませんが、以前は購入直後に得られたキャッシュフローがずっと続くと勘違いして、すぐに会社をやめて、得られたキャッシュフローを使いきってしまう方もいらっしゃいました。
このような方は、キャッシュフローがマイナスの時期を耐えられず、また、売却する際にも叩き売ることになってしまうので、売却金額では残債を支払えなくなり、最悪の場合、破産してしまうことになってしまうのです。


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