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人が亡くなってなきゃ心理的瑕疵物件にならない?


ゲゲゲハウスを売却することにしました。

ネズミ男が購入を検討しています。

なるべく安く買い叩きたいネズミ男は、

「でもさぁ、おばけが住んでいた家なんて、心理的瑕疵物件でしょ。まともな値段じゃ売れないよ」

目玉オヤジは言い返します。

「この家で誰かが死んでいる訳じゃないんだから、心理的瑕疵物件な訳ないだろ。大島テルにも載っていないし!」

どちらの言い分が正しいのでしょうか?

A.よく分かりませんが、ネズミ男の方に分がありそうです

一般人であれば誰もがその使用の際に心理的に十全な使用を著しく妨げられる欠陥があれば、購買意欲を減退させる心理的瑕疵があるものとされます。心理的瑕疵にあたるものとしては、自殺や殺人など人の死に関わるものに限定されず、風俗営業として使用されていたこと、火災が発生していたこと、反社会的な宗教活動を行う団体のアジトであったこと、などがあげられます。

従って、誰も死んでいるわけではないから心理的瑕疵が無い、と言うことはできません。

だからと言って、買主が気持ち悪いと思うだけでは心理的瑕疵があるとまでは言えません。

心理的瑕疵が瑕疵担保責任を構成しうるのは、心理的なキズであっても、物理的なキズと同じく物の交換価値に影響を及ぼすからです。

物の交換価値が減少するのは、通常一般人において住み心地の良さを欠くと感じる場合なので、心理的なキズが瑕疵と評価されるためには、単に買主がその不動産への居住を好まないだけでは足りず、通常の一般人が買主の立場におかれた場合に住み心地の良さを欠き、居住の用に適さないと感じることに合理性があると判断されることが必要になります。

「一般人」を一般のおばけと解釈するか、一般の人間と解釈するかで結果が分かれそうです。

★世戸弁護士のコメントです。

民法が改正されたことにより,民法上「瑕疵担保責任」という用語はなくなり,広く「契約不適合責任」の一類型として整理されました。しかし,民法改正後の不動産売買においても、心理的瑕疵や環境的瑕疵という概念は存在し,その内容も変わりません。

心理的瑕疵とは、取引物件で過去に自殺や殺人事件、火災、忌まわしい事件、事故などがあり、心理的な面において住み心地の良さを欠く不具合のことです。

また,心理的瑕疵については,賃貸借よりも売買の方がより重く(範囲や告知期間など)考慮されます。

鎌倉鑑定公式LINE【相続対策虎の巻】2021/08/01から抜粋・加筆


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