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「越境なんて説明する必要は無い」という根頭見不動産社長の言い分は一理あるのか?

Q
根頭見不動産は悪徳業者。
でも、ねずみ男社長の口のうまさは天下一品です。
ある中古住宅の売却の依頼を受けることができました。
めでたく、別の不動産会社が買主さんを見つけてくれました。
電光石火の速さで売買契約を締結。
ところが測量をしてみると、ブロック塀の一部がお隣に越境していることが分かりました。
重要事項説明書には、「越境は無い」と書いているのに、どうしよう。
ねずみ男社長は、「どうせ分かりっこない」と説明をせずにそのまま決済をしてしまいました。
決済の一ヶ月後に買主さんから、越境の説明が無かったとして、損害賠償請求を受けました。
ねずみ男は
「ウルセェ、俺は売主とは契約したけど、お前となんか何も契約してねぇ。大体、重要事項説明書に越境について書く欄なんて無ぇんだから、説明する義務なんてねぇんだ!すっこんでろ」
ねずみ男の言い分は通るのでしょうか?

A.ねずみ男の言い分は通らない。
越境の有無は、宅地建物取引業法35条1項に列挙されている事項に含まれませんが、同条項は例示列挙と解されており、越境の有無も土地の利用状況に影響を及ぼす事項として重要事項とされています。よって、仲介する場合には、越境の有無に関しても調査し、説明する義務を負うことになります。
また、この重要事項説明をする相手は、媒介の委託を受けた当事者かどうかは問いませんので、買主から委託を受けていなくても説明する義務があります。

★世戸弁護士のコメントです。
東京地裁平成25年1月31日判決は,「Z(仲介業者)は、X(買主)と一般媒介契約を締結し仲介を受託した宅地建物取引業者であるところ、本件土地建物の権利関係に疑義が生じるおそれがあることを認識した場合には、これを説明し、本件土地建物に関して適切な情報に基づいて取引をすることができる環境を整える注意義務を負っていたというべきである。
本件売買契約締結当時は、本件境界ブロック塀が北側隣地に越境している事実が判明しておらず、本件売買契約では、最終代金支払時と同日とされる引渡時までに測量の上、境界を確定させることとなっていたから、この段階で越境の事実を伝えなかったことは債務不履行を構成しない。
しかしながらZは、本件売買契約締結当時に、越境の事実がないと説明していたにもかかわらず、最終代金決済時までに、本件境界ブロック塀が北側隣地に越境していることが判明し、これを認識したのであるから、当然、権利関係に疑義が生じるおそれがあることを認識したと認められ、特に、売買契約締結時の自らの説明と客観的には齟齬(そご)する事態が生じたのであるから、これをXに説明する義務を負ったというべきである。
しかるに、Zは、7月測量図を交付した程度で、本件境界ブロック塀が北側隣地に越境している事実を説明したとは認められず、この点につき債務不履行責任は免れない。」と述べています。

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