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【嗚呼、青春の多重録音、、、】無謀と書いて青春と呼ぶのだ!その2

*実話ですが戯言です、、、
 (注)これは多重録音に関しての専門的な話というより当時の頭の悪い高校生の悪戦苦闘の記録と思ってください。

人は失敗して初めて身の程を知るもので

その1のつづきです
 思いつきとやる気だけで多重録音を思い立った17歳の春。そもそも多重録音をしようと思った理由はその1で書いたことの他に、某オーディションに送る楽曲の録音のためでした。あ、ヤ〇ハのポ〇コンではありません。
 ホントはバンドで応募したかったのですが、他の奴らは彼女が云々とか、彼女と云々とか、彼女に云々とか(3回も書いちゃった)でやる気にならず諦めかけていた時、その1で書いた多重録音の方法をみつけて「これならひとりでなんとかいけるかも?」となったんです。
 と、いうことで足りない機材や楽器を仲間などに片っ端から連絡を取って借りる約束を取り付け、その間に応募する曲を作り、期末試験も適当にやりながら3月の春休みを待って行動に移した訳です。

1日目

 録音を行う学校は、自宅から徒歩10分程度とめちゃくちゃ近かったし、
春休みとはいえ部活で学校は開いてたし、担任とサークルの顧問にはサークル活動で教室を使わせて欲しいとお願いしてたので問題なし。ただ機材と楽器を運ぶのが一苦労でした。全部自転車で何往復もして運んだもんだから、
1日目はそれだけで疲労困憊で終了しました。

〇実際運んだもの(よくひとりで運んだわ)
・カセットデッキ×2台(うち1台借り物)
・ラジカセ×1台
・マイクロフォンミキサー(借り物)
・マイク×2本(ダイナミック、借り物)
・マイクスタンド×2本(借り物)
・アコギ
・ベース
・エレキギター(借り物)
・ギターアンプ(借り物)
・シールド等小物

 ここでその1の終わりに載せた自分がやった多重録音(ピンポン録音)の概要について説明させてください。
手順は以下の通り
1. 楽器を③のマイク代わりのラジカセから④のミキサーを通した①のカ
セットデッキで録音
2. ①で録音したテープを②のカセットデッキに移し、①に新しいテープを
入れ、次の楽器を②を再生しながら①で録音
3. ①で録音したテープを②のカセットデッキに移し、②のテープを①に移し
 次の楽器を②を再生しながら①で録音
4. 以降3.の繰り返し

 このように2本のカセットテープを①と②を交互に交換しながら音を重ねるところから行ったり来たりのピンポンを称してピンポン録音と呼ばれるそうです。


2日目


 2日目は機材のセッティングからスタート。次にいよいよ録音ですが
最初自分が考えてたのがまずアコギで曲を弾いて録音し、それを聴きながらドラム→ベース→エレキ→ボーカルの順で録音していくことでした。
 で、上の図にもあるようにラジカセをマイク代わりにしてアコギのパートを録音。アコギにピックアップが付いてたのでLINE録りも考えたのですが、
マイク録りの方が教室のルームエコーがいい感じで効いたのでそちらにしました。次にドラムの録音なのですがマイクの位置は次のようにしました。
 最初はマイク2本だけで左右から狙ったのですがテストで録ってみたらハイハットの音がめちゃくちゃ大きかったので距離を置いてセットし、左右の他に正面からの音も欲しかったのでラジカセマイクもセットしました。

 そしたらルームエコーの効果もあって、ちょっと大袈裟ですが広がりのあるロンバケのようなサウンドになりました。

最初の問題発生


 しかしここで最初の問題発生。アコギのパートを聴きながらドラムを叩いたのですが、ヘッドホンのアコギの音がドラムの生音の方に負けて全然聴こえないのです。なので何度やっても全然テンポが合わず失敗の連続。
 2日目で早くも壁にぶち当たりました。さてどうする、、、。
「!」
無い頭で考えた答えは「ドラムを先に録音しよう!」でした。
 そこで頭の中でメロディーを歌いながらドラムを叩いたのですが、なんか上手く叩けないんです。イメージは完璧だったはずなのにいざ叩くともたついて思ったように叩けなかったりで散々な状態。ま、そりゃそうだ。普段から練習してる訳でもないのに「あ、できる」ってだけでやってるのでトチるに決まってますし、そもそもやろうとした曲にしてもメロディーは出来てたつもりでも、それは結局つもりであって曲の構成(Aメロ、Bメロ、サビ)もドラムのアレンジもちゃんと出来てませんでした。
 それでもなんとかしようとひとり教室でヘッドホン着けてずっとドラムを叩いてると、廊下を通る運動部の生徒が怪訝そうにこちらをジロジロ見ていくのでそれもそれで気恥ずかしいというか、、、(多分変人扱い)
 とにかくまともに出来てない曲と、出来るとタカをくくってたドラムが思うように叩けずドツボにハマってしまい、何ひとつ上手くいかない状態のまま2日目が終了。帰宅後もずっと打開策を検討し、とりあえず次のように決めました。
・今の曲を諦めてちゃんと出来てるオリジナル曲に変更(普通そうだろ)
・ドラムはヘタにオカズを入れないシンプルな8ビートに徹する
ってことでこの2点を頭に入れて3日目に挑んだ訳ですが、、、

 今になって思えば、当初の目的だった楽曲応募のための録音が、いつの間にか「とにかくひとりで全部の楽器をこなし多重録音をする」という自己満足に執着して「目的のための手段」だったはずが「手段が目的化」したまま突き進んでしまったんですよね。ホントにバカでした。

 そんな状態でしたから当然そのは結末は、、、

続きはその3で。



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