2021年 年間アルバムベスト10
2022年ももう2月になってしまったので巷の2021年ベストアルバム選タイミングとして遅いように思ったが、これ以上遅くなるとさらに出しそびれそうなのでやってみることにした。
大体年間を通じて気になったアルバムは都度アーカイブするようにしているのだが、最近は何しろ音楽を聴く時間が確保できないことが多く(通勤が無くなったのが大きい)、また新しい音楽だけでは無く古い音楽も並行して聴くので、今年選んだアルバムは必ずしも聴き倒したものにはならなかった。
それでもこれは長く聴き続けそうだな、というものをピックアップしてみた。
10. Happy in Hindsight by Bertolf
オランダ人のSSWでこれまでは全くノーマークの人だったが、このタイトル曲のように極めてポップでやさしい音楽を作る人だ。これから注目したい。
9. In These Silent Days by Brandi Carlile
Brandi CarlileはAmericana Honors & Awardsで今年もArtist of the Yearを受賞。これで3年間で2回もトップアーティストとしてステージに上がったことになる。今最も円熟したアーティストだろう。
8. Shake The Foundations Militant Funk & the Post-Punk Dancefloor 1978-1984
Cherry Red編集によるポストパンクのダンスフロア向けコンピレーション。パンク後の英国ではディスコ、ダブ、エレクトロニカ、ファンクが混在していたことがよくわかる。
7. +1 by Mike Barnett
2018年に”Portrats in Fiddles”でグラミー賞にノミネートされたKentucky Thunderの天才Fiddler、Mike Barnettの最新作。元々2020年の秋にリリースされるはずだったのが、夏に脳動脈瘤で倒れ、リリースが遅れた。二回の手術を経て現在リハビリ中。
6. Typical of Me by Laufey
アイスランド系アメリカ人のSSW。双子の姉妹の一人で、半分中国の血も流れているらしい。母親がクラシックのバイオリニストで祖父はバイオリンの教授。彼女自身も元々はチェロリストだった。2014年にアイスランドのタレント発掘番組でファイナリストになっている。このEPがデビュー作で、彼女自身は自分のスタイルをモダンジャズだと言っている。
5. For Free by David Crosby
David Crosbyのこのアルバムは他の人もベストアルバムに挙げることが多かったことだろう。Netflixで観た映画”Remember My Name”も素晴らしかった。
4. Layla Revisited (Live at Lockn’) by Tedeschi Trucks Band featuring Trey Anastasio
Derek & DominosのLaylaをTedeschi Trucks BandがPhishのTrey Anastasioをゲストに招いて全曲カバーした2019年のライブを収録したもの。安心の一枚。
3. Outside Child by Allison Russell
今年のAmericana Honors & Awardsでその才能を存分に披露していたAllison Russellの初アルバム。これまでにも夫であり音楽的パートナーであるJT NeroとのBirds of ChicagoやRihannon Giddens等と組んだOur Native Daughtersでも高く評価されている。
2. Leftover Feelings by John Hiatt & Jerry Douglas
John HiattがCountry/Blue Grass界のスライドギターの名手Jerry Douglasと組んでのアルバム。この二人が楽しそうに演奏しているのを見るだけで微笑ましい。こういう演奏が最近は日本で観ることができなくなったのが残念だ。
1. At the BBC by Amy Winehouse
Amy WinehouseがBBCに残した音源38曲を収めた3CD。聴けば聴くほどこの人を亡くしたことが残念でならない。
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これ以外でもいくつか記憶に残ったものを紹介しよう。
番外11. Kindred Spirits by Lankin Poe
こちらもジョージア州出身のRevecaとMegan LovellのLankin Poe。2016年にElvis Costelloが来日した際の前座が彼女たちでその時に観た。このアルバムはカバーアルバムでシンプルにスライドギターとエレキギターの編成で彼女たちの良さがうまく表現されていると思う。
番外12. Overview on Phenomenal Nature by Cassandra Jenkins
ニューヨーク出身のSSWで2013年にデビュー。本アルバムは二枚目の作品で今年のベストアルバムに入れている人も多い。昨年の私のベストアルバムには女性のSSWがかなり入っていたが、このアルバムはその延長線上に入る。
番外13. あめりか by Hosono Haruomi
細野晴臣が2019年に米国Los Angelsで演奏したライブ盤。ニューヨークでのライブ・ドキュメンタリー映画「サヨナラニッポン」も素晴らしい。
番外14. Quiet Fire by Roberta Flack
今年リマスター盤が出た中ではこの曲の演奏にはぶっ飛んだ。DrumsがBernard PurdieでBassはChuck Rainey。以前ほかのPlaylistでも載せたがここで再掲。
番外15. Party Down by Little Beaver
これは2021年と全然関係が無いが、今年知った中で一番の驚きの曲。これだけ素晴らしい曲を今まで知らなかったのに自分自身驚いた。BassはJaco Pastorius。
番外16. No Matter What - Revisiting the Hits by Bad Finger
Bad FingerのJoey Mollandが豪華なゲストを招いて出したアルバムにSonny Landrethがギターを弾く”Suitcase”があったのでここで掲載。
番外17. Learning How to Swim by Mackin Carroll
サウンドを聴いた時に真っ先に思い出したのはSufjan Stevensで、すぐに気に入った。あまりProfileがネット上に無いが、Indie系のプロデューサーをやっているらしい。
番外18. The Daptone Super Soul Revue Live at the Apollo by Charles Bradley
Dap Tone Recordsが2014年12月に設立20周年を記念して開催したDeptone Super Soul Revueのライブ盤。亡くなったSharon JonesやCharles Bradleyをはじめとするアーティストが出演した3日間のコンサートをパッケージ化したもの。最後はSlyのFamily Affair。素晴らしい。
番外19. Little Black Flies by Eddie 9V
”エディ・ナイン・ヴォルト”と読むEddie 9Vはジョージア州アトランタ出身のブルースギタリストで60年代のソウルテイストも強い。2019年に来日したSt. Paul & The Broken Bonesを想い起す勢いを感じた。
番外20. Celebrate the Music of Peter Green and The Early Years of Fleetwood Mac by Mick Fleetwood
2020年2月にMick Fleetwoodが豪華なゲストを迎えてPeter Green時代のFleetwood Macをパッケージ化したライブ盤。5ヶ月後の7月にPeter Greenが死去。合掌。
Apple MusicでもPlaylistを公開中。
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