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Willin'

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1962年生まれのKeith Kakehashiの視点で描く音楽、映画、書籍などエクレクティックなカルチャーマガジン。タイトルのWillin’はLittleFeatの名曲が由来。
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記事一覧

ブックレビュー「ワイルドランド 上 ~アメリカを分断する「怒り」の源流」

本書はシカゴ・トリビューン等で記者・特派員を務めたエヴァン・オズノスが中国から2013年に帰…

ブックレビュー「発達障害大全~「脳の個性」について知りたいことすべて」

「大全」というタイトルに相応しく、あとがき(「おわりに」)を含めて585ページの分厚い本で…

ブックレビュー「言語学バーリ・トゥード~Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解で…

人事コンサルティングを生業にしていることもあって、「無意識のバイアス」についてのワークシ…

ブックレビュー「社会学をはじめる~複雑さを生きる技法」

今回この本を手に取ったのは、SNS上で著者自身が推薦していたのがキッカケだったと記憶してい…

ブックレビュー「障害者支援員もやもや日記~当年78歳、今日も夜勤で、施設見回ります…

初めて「日記シリーズ」を読んでみた。以前からこのシリーズは日経新聞の広告でそのイラストが…

ベスト・オブ・バッドフィンガー

今年の7月31日に発売されたCDJournal別冊の”…and The Beatles" シリーズの第三弾はBadfinger…

レコード/CD棚を総ざらえしデーターベース化...第一弾ついに完了

昔は絶対そうなりたくないものだな、と思っていたのだが、この年齢になると同じモノを二度買ってしまうことがある。 ここ数年で記憶している範囲で言うと、雑誌Brutusの「特集松本隆」を二度購入、The Crusadersの中古LPレコード”Standing Tall”もまた二度購入してしまった。前者は姉に贈呈することでお茶を濁したが、後者は見せしめ(?)のため、まだ部屋にある。 正直お小遣いの範囲で若い頃に考え抜いて購入したLPレコードはしっかりと記憶に刻まれているのだが、年

ブックレビュー「世界は経営でできている」

当たり前の話で恐縮だが、この数日間あまりにも暑い。 昨日はオンライン・ワークショップの仕…

ブックレビュー「NETFLIX の最強人事戦略 自由と責任の文化を築く」

一時サブスク契約の急減に悩まされたNetflixだが、広告付きプランが3割増と好調で4~6月期は売…

ブックレビュー「ハウリングの音が聴こえる」

2月の「鑑識レコード倶楽部」以来の音楽関連本ブックレビューになる。松村雄策氏については亡…

ブックレビュー「日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション」

以前にも触れたようにDE&I(”Diversity, Equity and Inclusion)という領域はまだまだ世界的…

ブックレビュー「多様性の科学」

本書のタイトルは「多様性の科学-複数の視点で問題を解決する組織」だが、原題は”Rebel Ideas…

ブックレビュー「みんな水の中」

先にご紹介した「普通という異常 健常発達という病」に続いて、こちらも発達障害者による当事…

ブックレビュー「普通という異常 健常発達という病」

本書を知ったのは日経新聞で本年4月13日に「発達障害、多様な実態 広範な濫用には問題も」という記事の中で本書と「発達障害大全」、「みんな水の中」が紹介されていたからだ。 本書は「みんな水の中」と同様に当事者本であり、精神科医の斎藤環氏により「定型発達者も「ニューロティピカル」という病理を持つのではないかと主張する。それは例えば、他者の「いいね」(=まなざし)に束縛されやすい病理であり、それを抜け出すには、身体的な反応と自分自身がほぼ一致するような「デカルト的コギタチオ」の認