”現役”弁理士の平均年齢は何歳なのか?

たびたび話題に挙がる「うわっ…弁理士の平均年齢、高すぎ…?」問題。
”現役”弁理士の平均年齢は実際にどのくらいなのか、
内閣府の「高齢社会白書」における高齢者就業率に基づいて補正を行い、
現実に近そうな現役弁理士の平均年齢を求めてみました。

1.弁理士の平均年齢

弁理士の最新統計(2022年1月末)では、平均年齢が52.55歳と出ています。

「日本弁理士会 会員分布状況」から引用

こちらの数字は「日本弁理士会」に登録している弁理士の数を表したもので、データとしてはもちろん正しいのですが、いつも思うのが・・・

52歳平均って、ホンマ??

身の回りの弁理士で考えても、52歳は到底平均には思えません。
肌感覚的には、45~47歳くらいが平均では…。

2.”現役”弁理士の平均年齢を出してみたい

実際のところ、「働いている」弁理士の中で、私って若い方なの?どのくらいの年齢まで若いって言えそうなの?というのを知りたい!!
実質的な平均が分かれば、その年齢を「いっちょ前」になるためのタイムリミットにできると思うのです。なので、勝手に”現役”弁理士の平均年齢を推定することにします。

もう一度、弁理士の分布を見てみますと…

……!!

全弁理士11,685名のうち60歳以上の弁理士が2,930名、
全体の25%を占めているのです。これは多い…。

ところで、65歳くらい…まぁ70歳くらいまでは働くとして、80歳とか90歳の弁理士の全員が全員、現役バリバリで働いているとは思えません。ここに平均年齢が高まっている理由がありそうです。

というのも、弁理士であり続けるには、日本弁理士会に月額15,000円の会費を納める必要があるのですが、例えば「弁理士登録後満50年が経過した者」「弁理士登録後満25年が経過し、かつ、年齢満80歳に達した者」は会費の納付が免除されます。

私の場合、26歳で弁理士登録したので、76歳以降は会費を納めることなく弁理士であり続けることができます。

このため、現役から退いた後も、弁理士としての登録を継続する高齢者が一定数いるはずです。

ここで、超乱暴に、「65歳以上の弁理士が全員現役を退いている」という前提で、”現役”弁理士の平均年齢の下限値を求めてみました。

20歳以上25歳未満 3名 → 22.5歳×3
25歳以上30歳未満 56名 → 27.5歳×56
・・・と年齢合計を粗く求め、65歳未満の人数(9,706名)で割ると、
「48.77歳」となります。

65歳以上の弁理士が全員隠居していれば、
現役弁理士の平均年齢は48.77歳です。

お??これはなんとなく肌感覚に近いかも…。

いやいや、でも私の勤め先の特許事務所にも、70歳以上の弁理士がしっかりと現役で働いています。ベテランの先生方を全く無視して「現役弁理士の平均年齢」を推定しては、叱られてしまいますね。

そこで、内閣府が開示している「高齢社会白書」における高齢者の就業率を参考に平均年齢を補正しようと思います。

内閣府ホームページより引用

高齢者白書によりますと、
60~64歳の就業率は71%
65~69歳の就業率は49.6%
70~74歳の就業率は32.5%
75歳以上の就業率は10.4%となっています。

そこで、「60歳未満で弁理士登録をしている人はまぁ働いているだろう」という乱暴な推測で、60歳未満の弁理士の就業率を100%とし、60歳以上の弁理士については高齢者白書の就業率によって以下のように補正をします。

20歳~60歳 計8,755名 年齢の総和413,942.5歳

60歳~65歳 計951名 → 951名×71%=現役675.21名
        年齢の総和62.5歳×675.21=42,200歳
・・・というように、統計上の人数を現役(と予想される)人数に補正しまして、各年齢の総和を足し合わせ、それを現役人数の総和で割ると

「49.72歳」!!!

現役弁理士の平均年齢は、49.72歳です!多分!!

どうですか?みなさまのまわりの弁理士の平均年齢に、合っていますか??

3.まとめ

(1)弁理士のデータ上の平均年齢は52.55歳
(2)超高齢弁理士は会費が免除される(ので現役でない可能性が高い
(3)就業率補正をした現役弁理士の予想平均年齢は49.72歳

4.おわりに

今回算出した「現役弁理士の平均年齢」、何かの参考になれば幸いです。

私は、弁理士として、これからのキャリアを積んでいく上で、「49.72歳」を一つの区切りにしようと思います。
私の場合、おおよそ2038年の年末頃ですね。その頃には世界はどうなっているのやら・・・

それでは!ごきげんよう!\(^o^)/



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