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笑顔とぬくもりに囲まれて

最近の私の職場は ずっと満床。
満床・・・入院用のベッドが全て埋まって
空きがない状態。
救急搬送される赤ちゃんや
多胎児(双子ちゃん以上)の出産、
未受診で出産などなど赤ちゃんが沢山入院中。
そんな中、処置や手術が重なったりして
職場の空気感はいつも以上に
ピリッとしています。

そんな空気感を察知しているのか
入院になったばかりの
新生児の赤ちゃん達がギャン泣きし、
長期入院の赤ちゃんまでつられて泣く状況。
保育士は いつも以上に忙しい。
1人の赤ちゃんに寄り添っていると
「私も抱っこ!」
「絵本読んで~」
「うたうたってほしいよ~」
「ウンチでた~!オムツ替えて~!」
「お腹ぺっこぺこ!ミルクミルク!!」
と言わんばかりの赤ちゃんたちの泣き声。
全く休む暇はないのです。

ですが、赤ちゃん其々が個性があり
近づくと泣き止んでジッと見つめる子もいれば
近づくと余計に大声でギャン泣きして
「早く早く!!」
とアピールする子もいたりみんな可愛いのです
長期入院で成長している赤ちゃんは
つられ泣きしていても、誰かが近づくと
にこ~っと笑って手をこちらに差し出して
「こっちこっち!ね?目が合ったよね!」
「来てくれるのを待ってるよー」
と言わんばかりのアピール。

どの赤ちゃんも本当に愛おしいのです。
ある赤ちゃん(Aちゃんとする)は
ギャン泣きしていても近づくと
スンっと大人しくなりジッとこちらを見つめる
赤ちゃんです。
ある日ギャン泣きしていたAちゃんに気づき
近づくと、いつも通りスンっとして
私をジッと見つめてくれています。
「Aちゃんどうしたの?オムツかなー」
とオムツを見ると汚れていません。
ジッと私をみつめるAちゃんの口がパーっと
開いてきました。
「Aちゃん、抱っこして欲しいんだね」
私は赤ちゃんを抱っこする時用の
ビニールエプロンを急いで取りに行く。
そしてAちゃんを抱っこすると
Aちゃんの口がとんがってきて
直ぐに目を閉じる。その仕草は、
Aちゃんの気持ちいいよ~のサイン。
「Aちゃん、いつも可愛いね~。
 ミルクまであとちょっとだから、
 もう少し待っててね。
 うたを一つうたったらネンネしてね」
と私は抱っこしながらうたをうたい、
Aちゃんをコット(ベッドのこと)へ。
Aちゃんはまだ口がとがっているけれど、
コットへいくと直ぐに目が開いて
又ジッと私をみつめてくれている。そして、
おとなりの赤ちゃんがギャン泣きしている。
コット越しにお隣の赤ちゃんを見て
私をジッと見るときのAちゃんの口は
ギュッと閉じている。
私はAちゃんにお布団をかけて
「お隣のBちゃんがすんごく泣いてるから、
 じゅんばんこでAちゃんの次で
 Bちゃんのところにいってくるね」
と声かける。
Aちゃんはジッと私を見ている。
私がBちゃんに寄り添っている時、となりの
Aちゃんを見ると、にこ~っと笑っている。
すると落ちついてきたBちゃんも
にこ~っと笑う。
私はとっても幸せな気分になれて
「AちゃんもBちゃんも可愛いね~」
と声をかけるのです。

Bちゃんが落ち着いてコットに戻り、私が
別の赤ちゃんのギャン泣きに向かう前に
Aちゃんの顔を覗いてみる。
すると、ジッと私をみつめている。
ギュッと握っているAちゃんの手をさすると
ギューッと私の手を握り、またにっこり笑う。
なんてちぃさく、温かい手なんでしょう。

業務に追われ、ピリっとする毎日だけれど、
笑顔とぬくもりが満ちた赤ちゃんたちに囲まれ
私はたくさん、たくさん幸せを頂いている。
時々、赤ちゃんたちの可愛さに
涙が出そうになる私。
入院している赤ちゃんは、
多胎児以上でなければ
1人で入院し頑張っている赤ちゃん。
そんな入院する赤ちゃんが、毎日私に、
笑顔とぬくもりをくれている。
私は出来る限りの愛情で応えたい。

今日も1日が始まりました。
自分の機嫌を取り
気持ち良い1日を過ごします。

#ジブン株式会社マガジン

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