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Aからはじまる

私は身体性が女性のシスジェンダー。※1

幼い頃は、素敵な男性と結婚して子ども達と仲良く暮らす、普遍的な幸せを夢見ていた。

好きな人だっていたし、恋人がいたこともあった。

自分も世間でいう普通に当てはまると思っていた。


でもどうしても、

どんなに大好きだった恋人とでも

セックスをしたいとは思えなかった。

同じ愛情を返せない自分が不甲斐なかった。

一時は病気を疑ったりもした。


周りの子はみんな "普通に" したいと思えるのに

なんで私は違うんだろう。


自分が普通とは違うことに気付いてから、

気持ちがついていかないのが相手に申し訳なくて

自分自身もその理由が知りたくて

広い広いネットの海をさまよった。


そこでようやく "アセクシャル" という言葉に出会った。※2



足りなかったパズルのピースが、ようやく見つかった。

私と同じこの気持ちを他にも感じている人がいる。

それがわかっただけで救われた。


それまで、誰しもが他者に対して性的に惹かれるはずだと思い込んでいた。

自分もそうでなければいけない、そうでなければおかしいと思っていた。


でも、この言葉と出会って

キスをしたいと思えなくても

セックスしたくなくても

好きでいていいんだと思えるようになった。

同じ愛でも様々な形があることを知った。



sexual

Asexual。


たった一文字でこんなにも意味が変わる。

たった一文字、それだけのちがい。


だけど、この言葉があるから、

1人ではないことがわかったから、

私は私らしく胸を張って生きていける。

これからは悩まずに生きていける。


私の人生が本当の意味で始まった気がした。





以下、にじいろ学校HP 用語一覧から引用

※1  シスジェンダー:身体的の性別と性自認が一致している人。

※2  アセクシャル:他者に性的に惹かれない人(他者に性的な魅力を感じない。または、他者に性的な魅力は感じるがその人と性的な行為をしたいとは思わない)

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