あとがき(1)

海外事業は、カネがかかります。例えばFSをする際に気をつけたほうが良いのは、旅費交通費や通信費の見積もりを多めにすることです。現地法人の社長や合弁相手先との打ち合わせ、クレームが発生した場合や原料・製品の輸送中の事故の対応のための出張旅費など、本当に多くのケースがあります。第1部の危機管理の項目で述べたコンサル会社等との契約費用も見積もっておきましょう。

海外に進出する場合、又は既に進出しているが現状を見直したいという場合には、独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構)が発行している資料が役に立ちます。資料のタイトルに「中小企業のための」等とついていますが、大企業でも大変参考になります。
① 中小企業のための基礎からわかる輸出のリスクマネジメントガイドブック
② 中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル
③ 中小企業が海外事業を成功させるための方法
これらの資料は専門家が作成しただけあって必要な項目が体系的に網羅されていますが、その内容の意味や必要性の程度・優先順位等については、ある程度海外事業を経験した人の「翻訳・解説」が必要でしょう。

日本貿易振興機構(JETRO)は、貿易関係の情報が充実しているのはもちろんですが、長い歴史のあるアジア経済研究所(通称アジ研)がJETROに合流したことで海外主要国の法律、外資政策、経済政策などについても大変参考になる情報を得ることができます。蔵書が豊富なアジ研の図書館(無料)も利用しましょう。

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