第2部 6.利益管理/原価管理(4)

④業界の中で自分の会社が置かれている位置を調べるのも良い方法です。業界の中で優良な企業の経営指標と自分の会社の経営指標を比較する方法です。これはご存知と思いますがベンチマーキングですね。
ベンチマーキングをする際には、ROA等の経営指標だけでなく、比較対象の会社の事業内容を良く研究しましょう。有価証券報告書(上場企業の場合)、会社のHPを見ると必ずその会社の「沿革」が掲載されています。沿革をよく勉強すると、その会社がどのような事業を行い現在の姿になったのか、つまり経営方針の歴史を知ることができます。これに加え、その会社のHPに紹介されている経営理念や中期計画、製品や組織の紹介を詳しく見ると、その会社の全体像と今後進む方向が見えてくるので大変参考になります。このように公開されている情報を読み込むだけでも多くの情報を得ることができますので、是非やってみて下さい。
ベンチマーキングの項目の一つとして経営理念を研究することがなぜ大切か?新将命氏の「経営の教科書」(ダイヤモンド社)には、経営理念・ビジョンのある会社の経常利益は経営理念の無い会社よりも多いと書かれています。そして、これには条件があり、経営理念・ビジョンは経営判断の基準として実際に使うこと、なぜ経営理念・ビジョンを徹底することが必要かを腑に落ちる形で社員に理解させることが必要であると書かれています。業績の良い会社の経営者は、これらの条件をしっかりと経営において実践しているのでしょう。
「経営の教科書」には、このほか事業戦略の決定方法と実行に際しての留意点、結果の分析とその評価、ビジネスリーダーは優れたコミュニケーターあるべし等事業経営にとって参考になることが多く書かれていますので、一読をお勧めします。

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