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ブルアカの同人誌(ノア本)をつくりました

 お久しぶりです。
 タイトルの通りです。ブルアカの小説同人誌をつくりました。
 9月16日(土)横浜マリネリア開催のブルアカオンリー即売会「メモリアルルミナス」にてお待ちしています。C-21「後輩系ヒロイン」が僕のサークルです。ぜひ見に来てください。


『不発弾の信管』
A5二段組、本文56ページ
収録作「不発弾の信管」「骨抜き」「アイラブユーの掟」「エピローグ」
500円

https://www.pixiv.net/artworks/111365727

 こちらで本文の一部を読むことができるので、どうぞ。

(せっかくなのでもう少し細かい話を。)
 分量的には、「不発弾の信管」がおよそ40ページ、残りのページを他の作品と本としての体裁上のページで分け合っているイメージです。
 「エピローグ」というのは小説ではなく、ノアをイメージして書き下ろした詩です。あるいはノア自作の詩かもしれませんが、あえて設定は詰めていないので、フレーバー的にお楽しみください。
 「骨抜き」「アイラブユーの掟」はpixiv再録です。前者は割とそのまま、後者は本自体のエピローグ的な側面をもたせているので、結構加筆しています。私のnoteをご覧になっている方には前記事のノアのストーリー読解を読まれた方もいると思いますが、その内容を踏まえています。本当は記事よりも小説が先でした。
https://note.com/kjujly/n/nf9857087eb75  
(キャラストーリー読解記事)

 以下は制作にあたってぼんやり考えていたことを書きます。作品の内容には触れませんが、よりフラットな心持ちで本を読みたい方は読まずとも結構な内容です。

あいについての

 さて、二次創作という場に創作についての方法論を持ちこむつもりではないのですが少しばかり意識したことを。
 今回のノアの物語をつくるにあたって、過去の文学や音楽から、色々なイメージを借景しています。少しその道について触れたことがある人ならそれと分かるような露骨さで、色々と。その一つひとつに触れていては仕方がないしみっともない気がしますが、少しだけ引き合いに出してみるとします。
 たとえば「アイラブユーの掟」では普段私が聴いている音楽からの精神的な引用が存在し、それはここ何年かぼくがずっと聴いている、österreichの「四肢」というミニアルバムから発想の端緒を得ています。

例えばぼくがピアノを弾くなら目を見ずに言うのさ
「愛を歌うな、誰もそれに触るな」

österreich「swandivemori」

愛を歌わないで 誰も触らないで!
翅抱え繭染めるきみが
意味もなく続く映画の中で愛を歌った

同上

春の日も(夏の日も)
秋の日も(冬の日も)
同じものを見よう
いつまでも(どこまでも)
飽きるまで(果てまで)
同じことをしよう

österreich「動物寓意譚」

 「愛を歌うな」に対して「愛を歌う」、こういう構図。
 ここでも詩の内容にはあまり触れませんが、アルバムが愛を歌う詩を以て幕を閉じているということが極端に構造的な感じを演出しているように思います。同バンドが、ライブのアンコールにミスチルのP.S. I love you を演奏したことをも含め、僕はこのアルバムがとても好きだ。

 特に気にしているのは、これらの歌詞が非常に映像的であるというか、作曲者の常套句でもある「映画」「フィルム」の一場面を絵に起こしたような世界があるということ。
 僕は表題作を書き下ろすにあたって、小説のシーンというものを非常に大事にしました。つまり、何も語ることもなく、ただ一シーンの止め絵をつくることによって、一つのイメージを浮かび上がらせるような・・・そういうもののほうが、本当らしいと思ったのです。匂いや光、人間の五感に訴える表現を散文で再生するみたいな、そんな感じです。
 そういう気持ちも込めて、友人でもある絵師さんに表紙を依頼する際には、デヴィッド・ボウイのSound and Visionの詩をイメージの一つとして手渡しました。

Don’t you wonder sometimes
'Bout sound and vision?
(時々、不思議に思わないかい――音と光について)

デヴィッド・ボウイ「Sound and Vision」

 visionを光と訳すのは僕の好みです。
 もう一つ付け足すとするなら、批評理論における、いわゆる異化・・・これは本書をずっと貫くテーマの一つです。見慣れた日常の風景を文によって再構築していく作業、あるいは、それらに新たなイメージを与えていくような。それがノア的であるということに繋がるのではないか・・・と考えています。とどのつまり、今回の本では、ノアというキャラクターを動かすにあたって意識したことがあり、それは文章によって理論を構成するのではなく、より映像的、感覚的に訴えるということです。それ以上でも以下でもない、と思います。
 もちろん読んでそうと分かるはずということもなし、気儘に読んで、感じたものが答えであると思います。ありきたりですが、これはもう本当に。だから僕が何を語ってもしょうがないですね。忘れてください。

 ともかく、素人ながらいろいろこね回してみた初同人誌です。ちょっと真面目にやりすぎた感はありますが、ノアが好きな人は良かったら。会場でお待ちしています。
 それと、諸々の手続きが負担にならなければBoothでの電子版の販売を考えています。確約はできませんが、何とか整えてみます。再販する機会とか、当面はないと思いますし。
 以上です。お読みいただきありがとうございます。


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