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祝福した

新潟行きは搭乗口24番。
少し距離ある。

ムービングウォーク(動く歩道)乗ろうとしたら右手に気づいた。
ヒルトンのブースができてる。

こんなん、前あったかな? 前何だったっけ?

ブースから熱烈大歓迎という風に手を振りながらこっちに飛んでくる女性。
JOYWOW仲間の誰かか? 知り合い? オレの熱烈なファン? まさかな。

「いま、キャンペーンやってるんです。このカードスクラッチして・・・」

あ、いや、結構です

「ここです。こすって」

まあ、せっかく来てくれたんだし・・・

「ありがとうございます! これをお使いください」

貝殻のようなのとカードを渡され
ゴシゴシやると

「おめでとうございます!! 2000円のクーポンが当たりました!!
どうぞこちらへお越しください」

ムービングウォークから外れ、ヒルトンの領地へ連れて行かれた。

「クーポン、コンラッドホテルでも使えるんですよ。こちらのQRコードを読み取っていただけますか」

タブレット
スマホかざした。
読み取り中らしくグルグル回ってる。

お客様、どちらにお住まいですか?
今日はどちらへ
何時の便ですか
お帰りは

グルグル戻らない。

「行きますね」出た。

新潟のセミナーでみんなにこの話しながら気づいた。
あれ、全員当選してるんだ・・・
要するに、顧客情報ゲット&囲い込みのためのあれだったんだ

搭乗口。

「小さなお子さまをお連れの方やお手伝いの必要なお客さまから順にご案内します」

ぼくは搭乗順2番だった。

待つ。

・・・と、空気の違う人たち。

若い男の子、丸坊主、二人。
同じ服着て。
後ろにひと目で私服刑事らしき男性がついてる。
男の子と刑事、ひもでつながって。
手のところにはセーターかけてる。

二人一緒に搭乗マシン入ろうとしてブーされてる。

「お一人ずつ、お願いいたします」

二組、搭乗ゲートから機内へ消えていった。

かなり時間経ち

「お待たせ致しました。JALグローバルクラブ・・・・」

ぼくの番だ。

機内入った。さきほどの人たち、一番奥なのか、わからなかった。

ぼくは、彼らと同じ飛行機で離陸できること、ラッキーだと思った。

彼らは何やったのかわからないけれど、再出発のため、新潟へ行く。
人生の再起動。

そんな彼らと同じ飛行機で離陸。
幸先いいやん。

生きるって、あがくことだ。

どうしようもない現実が、彼らをそうさせたのだろう。

これからも、どうしようもない現実が彼らを襲うかもしれない。

でも、それはぼくも同じ。

生きるというのは、動的平衡。

ややもすると、平衡が崩れたことにばかり目がいくけど。

魚は一生水の中で暮らす。だから水の存在を知らない。

君たちはこうして、飛行機乗って、新潟へ。

「魚にとっての水=これまで暮らした場所の存在」を、違う環境で知ることになる。見つめたり、発見したり。

ラッキーだ。

お互い、生きて、抗おう。あがこう。

若い彼らの再起動を、祝福した。

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