見出し画像

今週のプレビュー(210816~210820)~小売売上高、決算(大手小売り・半導体)。エヌビディア決算がワイルドカード。

〇先週のマーケット~ダウ、S&P500は史上最高値更新を継続。8月の消費者センチメント急落。


株:S&P500+0.7%、ダウ+0.9%、ナスダック-0.1%、ラッセル2000 -1.1%。半導体(SOX):-2.2%
債券:10年国債利回りは1.297%(+0.5%)と2週連続上昇。

インフレ指標は、消費者物価指数(CPI)が鎮静化を示す一方、生産者物価(PPI)にはまだインフレ圧力が継続する内容。前週の好調な雇用統計と物価上昇が巡航速度?に向かいつつあると確認されたことで、金利の上昇傾向は続き、10年国債利回りは12日(木)に1.379%まで上昇。しかし、13日(金)に発表された8月のミシガン大学消費者信頼感指数が2011年以来、10年ぶりの低水準まで急落した{70.2(予想81.2、7月81.2)}ことで10年国債利回りは急低下し結局前週比微上昇のレベル。
株式は木曜日まではリフレ期待銘柄や金融が相場をけん引したが金曜日は大型グロースが牽引。いずれにしてもダウ、S&P500は騰勢を保ったまま史上最高値を更新。
但し、金利上昇期間中もダウ、S&P500が連日市場最高値を更新する一方、半導体株指数(SOX)は6日続落(前週比-2.2%)、中小型株指数のラッセル2000も前週比-1.1%と冴えない。

〇今週のマーケット~マクロは米中の小売売上高に注目。半導体株決算を受けた株価動向は?


今週は、マクロ指標では中国の経済指標と米国の小売売上高統計が注目。
米国は8月に消費者センチメントが急速に悪化していることが判明する中、好調なはずの7月景気指標に悪化の兆候が見られていると金利低下要因となる可能性もある。但し、季節性から考えて、コロナ感染の再拡大が理由の景気懸念は早晩緩和されていく可能性が高い。
ワクチン接種ペースが改善しながら感染者数のピークアウトが確認されれば、経済リフレ関連株は物色対象が広がる可能性もある。
しかし、今週の企業決算は懸念の方が大きい。IT関連株は昨年の特需からの反動が懸念される。既にアマゾン等の決算でリフレとともにネットトラフィック鈍化が確認されており、昨年の逆相場だとすれば今後ITインフラ関連に悪影響が伝播する可能性が高い。今週は、特に18日のエヌビディア(NVDA)決算後の業況見通しが心配される。NVDAを取り巻く環境は、ここ2-3週間でかなり不透明感が高まっており、内容次第で業界全体の株価を押し下げる可能性がある。
消費センチメント指数の悪化を受けて、消費関連企業の決算でも気配りが必要になる。Walmart (WMT)、Target (TGT)、Lowe's、Macy's (M)などである。Tyson Foods (TSN)が、企業はコスト急上昇分を挙って顧客転嫁すると警告していたり、クレジットカード支出の増加が足元鈍化していると報じられていたりする。経済再始動が拡大しても回復期待は思うように盛り上がらないケースも考えられる。

画像1

〇IPO
IPOはなし。

〇決算:主要小売大手(足元の消費・コスト動向)、ITハードウェア(業績見通し)に注目。
発表日   時刻  ティッカー  銘柄名
2021/08/16    RBLX ロブロックス
2021/08/17 06:00 HDホームデポ
2021/08/17 07:00 WMT ウォルマート

2021/08/17 16:00 A アジレント・テクノロジーズ
2021/08/17 16:00 CREE クリー
2021/08/18 07:00 TGT ターゲット
2021/08/18 08:00 ADI アナログ・デバイシズ
2021/08/18 08:00 TJX ティージェイエックス・カンパニーズ
2021/08/18 09:00 LOW ロウズ・カンパニーズ
2021/08/18 16:00 CSCO シスコ システムズ
2021/08/18 16:00 KEYS キーサイト・テクノロジーズ
2021/08/18 16:00 NVDA エヌビディア
2021/08/18 16:00 SNPS シノプシス
2021/08/19 07:00 KSS コールズ
2021/08/19 07:00 M メーシーズ
2021/08/19 07:00 TPR タペストリー
2021/08/19 08:00 EL エスティローダー クラスA
2021/08/19 16:00 AMAT アプライド・マテリアルズ
2021/08/19 16:00 ROST ロス・ストアーズ

〇テスラのAIデー:
イーロン・マスク氏による基調講演のほか、テスラのエンジニアによるハードウェアとソフトウェアのデモが行われる予定。AIロボティクス・プレイヤーとしての同社の役割やスーパーコンピュータ・プロジェクト「Dojo」に関するアップデートが株価のカタリストになる可能性がある。

〇北京ウォッチ:
中国が経済規制の強化を求める5年間の青写真を発表したことで、中国のハイテク株から米国のハイテク株への流れが加速する可能性が指摘されている。ウェドブッシュ証券では、一部の銘柄に売り圧力がかかる中、投資家に米国のハイテク株を選別的に勧めている。アップル(AAPL)を筆頭に、FAANGを推奨。また、Microsoft (MSFT)、DocuSign (DOCU)、NICE (NICE)、Pegasystems (PEGA)などのクラウド関連銘柄も注目。

イベント情報

〇今週予定されているセクターカンファレンス
the 6th Annual Needham Virtual Med Tech & Diagnostics Conference,
the Deutsche Bank Transportation Conference,
the D.A. Davidson West Coast Bank Tour,
the H.C. Wainwright Ophthalmology Virtual Conference,
the Citi One-on-One MLP/Midstream Infrastructure Conference,
the Needham Digital Transformation & FinTech 1X1 Conference,
the B. Riley Small-cap Summer Summit and the Sidoti Virtual Microcap Conference 2021.

バロンズ:
〇ボーイング社(BA):ダメージコントロールを超えて、エンジニアリングの優位性を回復し、バランスシートを修復するための大胆な措置を講じて、将来に向けた再編成を開始することができれば、株価は35%上昇すると見られています。
〇次のアマゾンになるかもしれない10の傑出した銘柄
何年にもわたって一貫して高い収益または利益を生み出すことができると思われる10銘柄を挙げています。Amedysis (AMED)、Amyris (AMRS)、Booz Allen Hamilton Holding (BAH)、J.B. Hunt Transport Services (JBRS)。Hunt Transport Services (JBHT)、Marriott Vacations Worldwide (VAC)、SiteOne Landscape Supply (SITE)、Staar Surgical (STAA)、Stitch Fix (SFIX)、Trex (TREX)、Upwork (UPWK)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?