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今週のプレビュー(210712~210716)~さあ決算シーズン。売られ過ぎセクターの(金融、素材)反発も。物価統計、小売売上高。

先週のマーケット~S&P500、ナスダックは史上最高値を更新。週央のダウ下落はなぜ?

株:S&P500+0.4%、ダウ+0.2%、ナスダック+0.4%。
債券:10年国債利回りは1.356%(-5.2%)
独立記念日の短縮取引週は、アジア発の混乱の影響を少なからず受けたが、最終的にS&P500、ナスダックは史上最高値を更新して終了。リベンジ銘柄が売られたことでコロナ再燃懸念という捉えられ方をしているが、これは長期金利低下によるハイグロ買いに呼応する動きにも見える。香港株の急低下は明らかにDIDI急落による中国IT関連株売りが原因。ソフトバンク下落となり日本株の重石にもなった。日本株は更にETFの配当金ねん出売りという需給悪化の週でもあったことを併せ考えると、米国が下がる必要などなかったのかもしれない。
しかし、株価的には身構えてもいいのではないか?4-6月期が経済成長率のピークであり株価は景気回復を織り込んでいる可能性がある。一方で、ITハイグロース系は昨年特需で急拡大した業績との比較になる四半期にあたる。つまりピークリベンジとピークデジタルが同期する可能性がゼロではないということだ。更に、COVID以降の短期間(1年3か月)で上下動の振幅が大きい点も次の下落が大きいことの示唆と警戒する投資家も少なくない。

但し、ピークリベンジに備えている一方、ピークデジタルは過去のことのように楽観されつつあるように思える。背景は、①金利低下、②一部のSaaS企業の好決算、③明確なアフターコロナはないかもしれない等だろうか?しかし、GAFAMやNVDAを除くソフトウェア、半導体の多くは反落し始めると底値を切り下げそうなリスクの残る株価チャートが多い点留意したい。

今週のマーケット~決算シーズン:最近下落傾向の金融、素材が皮切り。物価&消費統計も景気好調確認ならリベンジ再燃?


今週から4-6月期決算発表シーズンが始まる。金利低下を受けて年初からの上昇の半分程度を吐き出した金融や素材の決算が皮切りとなる。金融に関してはトレーディング収益の低迷等あまり内容は良くないと予想されている。しかしシティグループ(C)などはPER11倍で配当利回り3%台と最近の下げでかなり魅力的な水準になっている。また、経済指標等ではCPI、PPI、小売売上高と足元の景気動向、インフレ動向を確認するイベントが相次ぐ。インフレ期待は引き続き高いと見られており、消費もこれまでの政府のバラマキや資産効果、週間チェーンストア統計の好調さを考えれば好調が予想される。
足元のインフレ期待や消費動向が依然好調な景気拡大傾向を示唆する可能性の高い中、長期金利はさすがに低すぎるという動きになれば、金融、素材の決算は幸先よく株価反発となろう。一方、自律反発的な金利上昇の場合、ハイグロースはさほど売られず、決算次第となるのではないか?

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決算:売られ過ぎの銀行決算から始まる。物価統計、小売統計次第で反発も
7月13日(火):
Symbol Company Earnings Call Time EPS Estimate
CAG Conagra Brands Inc 取引開始前 0.52 - -
JPM JPMorgan Chase & Co 取引開始前 3.17 - -
GS Goldman Sachs Group Inc 取引開始前 9.74 - -
PEP PepsiCo Inc     取引開始前 1.53

7月14日(水):
Symbol Company      Earnings Call Time EPS Estimate
DAL Delta Air Lines Inc     取引開始前 -1.4 - -
BAC Bank of America Corp      取引開始前 0.77 - -
BLK BlackRock Inc         取引開始前 9.28 - -
C Citigroup Inc         取引開始前 2 - -
WFC Wells Fargo & Co         取引開始前 0.96 - -
SCHW Charles Schwab Corp     取引開始前 0.75 - -
PNC PNC Financial Services Group Inc 取引開始前 2.95 - -

7月15日(木):
Symbol Company       Earnings Call Time EPS Estimate
AA Alcoa Corp         取引終了後 1.34 - -
BK Bank of New York Mellon Corp 取引開始前 1 - -
USB US Bancorp         取引開始前 1.12 - -
CTAS Cintas Corp         取引開始前 2.3 - -
PGR Progressive Corp         取引開始前 1.07 - -
UNH UnitedHealth Group Inc   取引開始前 4.43 - -
MS Morgan Stanley         取引開始前 1.65 - -
7月16日(金):Greenbrier (GBX)。
Symbol Company       Earnings Call Time EPS Estimate
ALV Autoliv Inc          取引中?  1.43 - -
FHN First Horizon Corp (Tennessee) 取引開始前 0.43 - -
STT State Street Corp         取引開始前 1.77 - -
KSU Kansas City Southern     取引開始前 2.2 - -


IPO
クワイエットピリオド明け:
7月12日:Angel Oak Mortgage(AOMR)、 Convey Health(CNVY)、Lyell Immunopharma(LYEL)、Verve Therapeutics(VERV)、WalkMe(WKME)
7月13日:Ambrx Biopharma (AMAM)、Cyteir Therapeutics (CYT)、Codex DNA (NASDAQ:DNAY)、Century Therapeutics (NASDAQ:IPSC)、AiHuiShou International (RERE)、Tremor (TRMR)。
ロックアップ期間明け:Affirm (AFRM)は7月12日、Poshmark (POSH)は7月13日、Driven Brands (DRVN)とPlaytika (PLTK)は7月14日。

分析
〇ビデオゲームの売上
7月16日(金)にNPDグループから発表される6月のビデオゲーム業界の月次売上は、5月の堅調な相対的な成功を受けて、各社が成功を収めることができたかどうかを確認します。その後、売上は4月の14ヵ月ぶりの前年同月比減少から回復し、厳しい「COVID-19」パンデミックの比較に対しても実際に増加しました。ハードウェアの売上は、任天堂(OTCPK:NTDOY)が、ソニー(NYSE:SONY)やマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)の新型ゲーム機(ただし供給不足)に対抗して好調を維持しています。一方、ゲームでは、「バイオハザード:ヴィレッジ」(OTCPK:CCOEY)、「Mass Effect: また、「Resident Evil: Village」(OTCPK:CCOEY)、「Mass Effect: Legendary Edition」(NASDAQ:EA)、「MLB: The Show 21」(SONY)、「Call of Duty: Black Ops Cold War」(NASDAQ:ATVI)などのゲームは、より重い売上を確保したいところです。

〇ボックスオフィスのプレビュー。
「Fast & the Furious」の続編「F9」(CMCSA)が興行収入回復のペースを作ったが、今度はスカーレット・ヨハンソンとマーベルの最新作「ブラック・ウィドウ」(NYSE:DIS)がそれを上回ることができるかどうかが注目される。マーベル・シネマティック・ユニバースの最後の大ヒット作から2年が経過した今、『ブラック・ウィドウ』の国内興行収入は7,500万ドルになるとディズニーは予想していますが、8,000万ドルから9,000万ドルに達するとの見方もあります。これは、「F9」の7,000万ドルを超えるパンデミック記録となり、2020年3月以来の週末興行収入1億ドルを達成する可能性があります。ただし、29.99ドルのアップチャージでディズニー・プラス・プレミア・アクセスにも登場するため、劇場での収入が減少する可能性があります。全世界では、「ブラック・ウィドウ」は1億4,000万ドルの興行収入を達成する可能性があります。


バロンズの言及
〇Meme株が衰えを知らない
半年が経過したが、AMC Entertainment (NYSE:AMC)、GameStop (NYSE:GME)、BlackBerry (NYSE:BB)などの「ミームストック」は、ウォールストリートが対応に苦慮している中でも、リテールの投資支援によって支えられている。バロンズの表紙では、"The meme stock trade is far from over "としている。

〇シティグループ(C)に注目
銀行が決算シーズンを迎えるにあたり、投資家は期待してはいけませんが、「シティグループ(C)に注目せよ」と促しています(オークマークのビル・ナイグレンは、シティとフェイスブック(NASDAQ:FB)がお買い得だと考えています)。
〇中国株に掘り出し物
また、いくつかの中国株が掘り出し物のように見え始めているとしています。アリババ(BABA)やJD.com(JD)のような圧力を受けている銘柄がバリュー投資家のレーダーに現れ始めている一方で、一部の投資家はそれを通り越してテンセント(TCEHY)のような名前に目を向けており、そうでなければ香港や大陸に上場しているETFを通じて外国人投資家がアクセスしやすい銘柄に目を向けています。

実は中国テック株も全部売られているわけではない。多数の個人情報を保有するプラットフォーマー、eコマース系が大きく売られている一方、リチウム関連などハードウェア関連には大きく買われているものもある。ハンセン指数が連日売られる一方、科創板のSTAR50などはむしろ上昇している。


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