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今週のプレビュー(210628~210702)


先週のマーケットFOMCで金融引き締め懸念浮上。指数は下落もグロースは上昇。
株:S&P500は+2.7%、ダウは+3.4%と3月中旬以来の最高値。ナスダックは2.4%の上昇。
債券:金曜日のコアPCEインフレ率が予想通り(+0.6%)とはいえ約30年ぶりの高水準となったからか長期金利が上昇。10年国債利回りは1.536%(+3.3%)

前週末のブラード発言(2022年終盤の利上げ見通し)をパウエル議長が、「インフレ懸念のみに基づいた性急な利上げは行なわない」と上手く鎮静化した印象。超好決算を発表したナイキ(NKE)が消費セクターをけん引し、テスラ(TSLA)も高い。GAFAMではアマゾン(AMZN)が前週の高値面併せ水準から反落した以外はすべて上昇。また、イーライリリー(LLY)の認知症薬をFDAが画期的治療薬指定するなどバイオジェン(BIIB)以降、アルツハイマー薬が新境地を拓いていく公算。

大業種動向:ナイキ効果もあって一般消費が上昇率トップ。
テクノロジーのみ続伸。一方、不動産、公益は続落。不動産はKBH決算後、下落トレンド入りか? 金融はストレステストの好結果(米国の大手金融機関は深刻な景気後退にも容易に耐えられる)を受けて自社株買い戻しが制限解除され反発(これは値上がり続くかも)。一般消費はナイキ(NKE)、テスラ(TSLA)等がけん引。特にナイキのオンライン販売の躍進は、他の小売企業の同様の好調さを連想させた。一方、アマゾン(AMZN)は冴えない。アマゾンプライムデーは前年比7.7%増と昨年の45.1%増から大幅減速。もちろん昨年は世界中がオンラインショッピングに殺到した時期だったので減速はやむを得ないかもしれないが、ナイキとの比較でも見劣りする。ナイキの好決算は脱アマゾンの進展と捉えることも可能であり、今回のアマゾン(AMZN)決算(7/27)は注目点が多くワイルドカードかもしれないと心配している。

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細分類業種動向:先週に続き、ソフトウェアが上昇率トップ。ソーラー、インターネットも続伸。ソフトェアは前週比10%上昇で1か月上昇率はなんと34%に達している。サブスクモデルのSaaS系企業がけん引している印象だが、先週、アクセンチュア(ACN)が決算後新値抜けしたことはBI系高額ビジネスアプリの好調を連想させる。このセグメントはピークデジタル懸念もなく顧客は大手企業が多く決算はビートしやすいかもしれない。ツイッター(TWTR)が五陽線を示現させつつ強いモメンタムを示したのも見逃せない。一方、先週下落していた半導体、ゲーム関連は反発するも小幅に留まり引き続き警戒である。ITの中でも明暗分かれている点、留意すべきだ。

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エネルギー・コモディティ動向:原油、天然ガスはなかなか下がりづらい。リグ数動向がカギを握るが現状、需要はコロナ前の水準を回復する一方、リグ数は6割程度の回復に留まる。最近のクラッシュ後に反発の経験則で行けば、8割程度まで回復した時点がピーク近辺か。但し、今回は一時的とはいえ、需要が急拡大しているのでブレ余地は大きいのではないか?


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今週のマーケット~このまま決算期待相場に向かうのか?ウォーニングはあるか?
決算カレンダーは軽めだが、Micron (NASDAQ:MU)、General Mills (NYSE:GIS)、Walgreens Boots Alliance (NASDAQ:WBA)などが予定されている。IPO市場は、クリスピークリーム(DNUT)の再上場が予定されている。米雇用統計では、非農業部門雇用者数が60万人増加するという予想が吹き荒れる。また、ワシントンDCでのインフラ関連法案の審議はさらに1週間延長される。また、4-6月期業績が期初の会社計画を下回った場合、今週、ウォーニングが出てくる可能性がある

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決算:マイクロン(MU)の業績が不安。PC特需からの減速はどの程度か?
6月28日(月):ハーマンミラー (NASDAQ:MLHR)。
6月29日(火):Enerpac Tool Group (NYSE:EPAC) 、 FactSet (NYSE:FDS).
6月30日(水):ベッドバス&ビヨンド(NASDAQ:BBBY)、ゼネラルミルズ(GIS)、コンステレーションブランズ(NYSE:STZ)、マイクロン(MU)。
7月1日(木) :Acuity Brands (NYSE:AYI)、McCormick (NYSE:MKC)、Walgreens Boots Alliance (WBA)。
7月2日(金) :CarMax (NYSE:KMX).

IPO
DingDong (DDL)、SentinelOne (S)、Intapp (INTA)、Xometry (XMTR)、Integral Ad Science Holding (IAS)、CVRx (CVRX)、D-Market Elektronik Hizmetler ve Ticaret (HEPS)、Krispy Kreme (DNUT)、Torrid Holdings (CURV)
海の向こうでは、XPeng(NYSE:XPEV)の香港での上場が、来週、国際公募価格の下限または180香港ドルのいずれか低い方で価格決定されます。

分析
ヘルスケアウォッチ
〇MediWound(NASDAQ:MDWD)とVericel(NASDAQ:VCEL)のNexoBridに関するFDAアクションデート。NexoBridが承認されれば、市場は2億ドルと見られている。
〇ALX Oncology Holdings (NASDAQ:ALXO)は、週明けに開催されるESMO第23回世界会議で、ALX148とトラスツズマブのデータを発表する予定。
IPOプレビュー
〇クリスピークリーム(DNUT): 2回目の上場。クリスピークリームは、予想価格帯の中間値で約6億ドルを調達し、評価額は約38億ドルとなる。「クリスピークリームのストーリーは年々変化しており、当初の製品ラインを超えて、より幅広い製品群(ドーナツ、コーヒー、パッケージ商品、インソムニア・クッキー・ブランドの子会社)とグローバルなフットプリント(国内/海外の直営店やフランチャイズ店、流通、小売事業)を含むまでに拡大しています」と、MKMパートナーズのアナリスト、ブレット・レヴィはIPOについて更新している。

〇Torrid Holdings (CURV):800万株を18ドル~21ドルの価格帯で提供する予定です。 Torridは、北米最大の女性用プラスサイズ・アパレルおよびインティメート製品の直販ブランドです。米国36州で600店舗以上を展開。

増配
PNC Financial (NYSE:PNC):1.15ドル→1.25ドル
Walgreens Boots Alliance (WBA):0.4675ドル→0.4775ドル、
Duke Energy (NYSE:DUK):0.965ドル→0.985ドル、
Bank OZK (NASDAQ:OZK):0.28ドル→0.2825ドル

イベント情報
6月29日
〇Shopify (NYSE:SHOP):開発者会議「Shopify Unite」。新製品や新機能の初公開が行われるとのことです。
〇ユナイテッド航空(NASDAQ:UAL):投資家向けイベント「United Next。大型航空機の発注が発表される可能性があり。
〇Jack in the Box(NASDAQ:JACK):Investor Day。
6月30日
〇ConocoPhillips (NYSE:COP):バーチャル・マーケット・アップデート。

データウォッチ
月初めの数日間は、6月のマカオのゲーミング総売上高が報告され、米国の自動車販売台数と納車台数のレポートが到着します。
Ford (NYSE:F)、General Motors (NYSE:GM)、Nio (NYSE:NIO)、Li Auto (NASDAQ:LI)、XPeng (XPEV)、Toyota (NYSE:TM)の最新情報に注目する一方で、Tesla (NASDAQ:TSLA)の第2四半期の販売台数の発表が目玉となる。
テスラの大方の予想は、第2四半期の販売台数が18万5,000台~19万5,000台の範囲に収まるとしています。テスラの株価は先週から10%以上上昇しています。

カンファレンス
今週に開催される主なカンファレンスは、
Mobile World Congress(バルセロナ)
Credit Suisse Sustainability Week、
SVB Leerink CNS Forum、
Cantor Fitzgerald International Cannabis Forum

年次総会
6月28日:Hostess Brands (TWK)、
6月30日:CrowdStrike (NASDAQ:CRWD)、

バロンズのコメント~
Hertz Global (OTCPK:HTZGQ)は、Knighthead Capital Management、Certares Management、Apollo Global Management (NYSE:APO)が5月に行ったレンタカー会社の入札に勝ち、株価が2倍になった後も魅力的だと言われています。ハーツの株式は、1株あたり1.53ドルの現金、再建会社の株式の3%、破産後の新会社の18%のワラントという組み合わせで交換される予定で、再建後はさらに上昇が期待されています。

一方、チャート・インダストリーズ(NYSE:GTLS)は、伝統的なエネルギーの回復とその新しい形態への移行の両方をプレイする方法を投資家に提供する銘柄と呼ばれており、住宅ローン保険会社のNMIホールディングス(NASDAQ:NMIH)、エッセント・グループ(NYSE:ESNT)、MGICインベストメント(NYSE:MTG)は、一桁台の株価収益率と低い株価純資産倍率で安価に見えると言われています。

また、同誌が発表した2021年のトップCEOリストには、Chipotle(NYSE:CMG)のBrian Niccol氏、Nvidia(NASDAQ:NVDA)のJensen Huang氏、General Motors(GM)のMary Barra氏が含まれていることも注目されています。




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