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それはある夜のこと。 年下の彼氏との別れを受け入れて、独り身にも慣れた頃のこと。 3年くらい一緒に住んでいたのは、大通りの交差点のすぐそばのマンション。多分道路向かいのコンビニにでも行こうと家を出て、信号待ちで立ち止まった。 見上げた夜空にふんわりと浮かんでいた三日月が、まるで情事の最中に肌に掻きつけた爪あとのようで、どうしようもなく切なくて、どうしようもなく美しかったんだ。 *** そっと見上げた夜空に浮かぶ三日月 君が背中に残した 爪痕のように ひどく曖昧で 今