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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#242

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#242 :小説の誤りに関する所見(第2話)

その2、いとこ同士の恋愛は好まれるテーマである。
作家は自分が人類に対する神の計画を、どのくらい邪魔しているのかを考える事は無い。

その3、病床と臨終の床では、小説家だけではなく、今まで誰も見たことがないような色彩と描写で塗り立てられている。その例外となる作家は、おそらく1人しかいないだろう。

英国ではすべての経験のうち、病気と死が最もいい加減に観察されてきた。材料はもちろんあるのだが、詳しい研究が全くされていない。小説のほとんど全ての臨終のとこは、オペラのプリマドンナが歌いながら、死んでいくような舞台効果の1つに過ぎない。本当の死など存在しないのかと思うくらいだ。シェイクスピアは、真実を持ってこの問題を扱った唯一の作家であるが、彼の真実は芸術の上においてのみ成り立つのである。
(2024年4月16日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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