ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#243
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#243 :小説の誤りに関する所見(第3話)
その4、小説では強力なゼリーとか、その他の同じような馬鹿げたもので命を救われる。
その5、ヒロインは接触感染をものともせず、自分の家族全員や、受け持ち患者などと共に感染して死ぬ。他人を巻き添えにすることの方がもっと恥ずべきこととなる。
さて、病気と死をフィクションの内容とすべきか否かは、疑問のあるところだ。しかし、作家がこのような重大な関心事について書こうと思うならば、書く前に、少なくとも観察の労を取ってほしいと要求しても、言い過ぎで無いのは確かだろう。なぜ重大で致命的でさえある誤りをひろげようとするのか。
感染が起こるということは、誰かが、すなわち医師や看護師、また親戚が怠慢や無知であることを証明するものであり、感染が起こった場所は、病院にとっても健康人にとっても住むのにふさわしい場所ではないということを証明するものだ。
(2024年4月17日配信)
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。
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