ちいさな庭だより。2024年2月号。

[intro]
 ようやく、と言っていいのかもわからないが、なんとか新しい一年が動き出したような感じがしている2月。余震は少なくなってきたが、引き続き用心している。雪が降ったかと思えば2月とは思えぬ気温の高い日もあり、植物たちも困惑しているのではなかろうか。そういえば春一番も吹いたっけ。
  
 
[街なかの、裏庭より。] 

(アキグミの新芽)

 季節外れのあたたかい日が続いたあとで寒気がやってきて、がくん、と気温が下がると「春になるんじゃなかったのか」と言いたくもなるが、そもそも2月にこんなに気温が高いことがおかしいのであって、寒い方が本来なのだ、とじぶんでじぶんに言い聞かせながら過ごした今月だった。
 

(ニオイスミレ)

 さて裏庭は、といえば、この気温の乱高下著しい中、スミレたちが目を覚ましている。まずはニオイスミレ。年末ぎりぎりまでツマグロヒョウモンたちのために葉を摘んでいたのでどうなるか心配していたが、種をつけようとしているのか、花をよく咲かせている。いつもなら摘んで愛でるところだが、今回は種のためにガマン。また増えてくれることを期待している。
 タチツボスミレとラブラドリカは一旦雪に埋もれたあと、なんとなく寝ぼけたような印象。枯れているわけではなさそうなので様子を見る。アリアケスミレは姿こそ見えないが、結構あちこちに種を飛ばしていたようなのでそのうち出てくるだろう。
 

(ヒラツカスミレの新芽)

 昨秋に交換会で迎えたニシキスミレは、今のところはまだ芽は出ていない。ただ、地上部はないけれど芽吹きそうな気配がしている。ヒラツカスミレは無事に発芽したので安堵。タグに赤花とあったので、どんな色の花をつけるかたのしみだ。
 

(ツマグロヒョウモン・雌)


 そしてそのスミレ類を食草にしているツマグロヒョウモンは、12月に羽化した個体が今月中旬にとうとうみまかった。羽化後2か月半ほどのケージ暮らしであった。外で暮らす同じ種がどのくらい生きるのかよくわからないが、ルリタテハやヒオドシチョウなどは成虫になってから冬を越すというし、タテハ系は意外に長生きなのかもしれないと思ったりした。また、最後に残っていた蛹は女子であった。羽化には成功したものの、やはり体力不足か気温が低かったからか、すぐに息絶えてしまった。目下残っているのは前号でご紹介した羽化不全の個体のみとなった。こうして庭にスミレが増えたので、また今年も産卵に来るだろうか。今度は空を飛べるタイミングで来てほしいものだ。
 


(ヒューケラ・ドルチェ・バタークリームの新芽)

 20℃近い気温になった日もあったせいか、結構いろいろな植物が芽吹きだしている。中でもヒューケラのかわいらしさとたくましさには驚いた。年末に葉を数本、水に挿しておいたら…なんと発根している!植えたら増やせるか…ぜひ試してみたいところ。
 

(シクラメン)

 室内管理のヒヤシンスは高さが出なかったせいか葉と茎の間に蕾がいくつか残っていたようで、白い花が窮屈そうに2つほど咲いて、その後は葉を伸ばしつつある。そしてシクラメンは、日に日に蕾を持ち上げてきている。白っぽい蕾だが、これを真綿色というのか。とてもちいさいけれど、しっかりとしている。
 球根類はこの他、能登から持ち帰ったシラーが外で発芽。今年は花をつけてくれるかどうか。チオノドクサは今のところ音沙汰なし。植えっぱなしでいいとのことだったのでそのようにしていたが、暑さに弱いとも聞くので、もしかしたらダメかもしれない。もうしばらく様子を見る。

 
 
[ロザリアンへの途…残りものには何とやら。]
 

(アイズ・フォー・ユー)

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