ちいさな庭だより。2020年8月号。

[intro]
 
 梅雨と土用が明けて、いよいよ庭仕事を…と思いきや、この酷暑である。熱中症の初期症状を数回経験している身としては、さすがにもうあのしんどさは味わいたくないので、天候や作業する時間帯などさまざま考慮しつつ、作業にあたることになる。
 それはそうと、庭だより。on note をはじめて、1年が経った。改めて、いつも読んでくださるみなさん、ありがとうございます。今後もぼちぼちと書き進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
  
 
 
[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]

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 土用が明けたらまずは草むしり、と決めていた。畑もそうだが、家の周囲も、よその家はきれいにしているのにウチの周りだけがどうにも草だらけで、なんとかせねばとかねてから思っていたのだ。そんなわけで、朝の比較的気温の低い時間から、じっくり数時間かけての作業を数日に分けて行う。この暑い時期に、ひとりですべてをやるのはさすがにちょっと体力的な心配もあり、今回は外庭は手を入れないことに。代わりに、というわけでもないけれど、裏手の庭の枯れたマーガレットの片付けなどを進めた。
 見慣れない蔓性の植物が白丁花の生垣の中から一枝伸びていたので、切って水に挿してみた。相変わらずこういう出自の分からないものがときおり顔を出すからおもしろい。
 外側が済んだら、次はいよいよ畑だ。草の丈がまあまあ高くなっていたので、まずは手でちぎるようにして取り、それから根を抜いていく。このとき既にとうもろこしは枯れはじめていたので、撤去。とうもろこしは来年もやってみたいけれど、その前にナメクジ対策をしっかりとしておくべきかな。
今月初旬に落花生の中耕をしたので、とうもろこしの根元の土を里芋と落花生の周辺に移動させて、土を増すことにした。
 日がな一日、黙々とそんな風に作業に打ち込み、最後に水を撒いて終わりにしようとホースを持った次の瞬間…なんと、倒して置いてあった竹竿の先が靴にひっかかって、ビターン!と派手に転んでしまった。こんなことはどれだけぶりだろうか。両ひざに直径10cmほどの黒々としたあざができ、左ひざなどはどういうわけなのか野良着が破れて擦り傷に。それで済んだといえばそうなのだけれど、打ちどころが悪かったら…などという思いが脳裏をよぎり、ひとりで作業しているときのこういった怪我は、なんとも心細いものだな、と思った。
 

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 お盆には能登へ墓参りに。今年は祭りも行われないということだったので、早朝出発で一泊二日のトンボ帰り。以前ニンドウを採取した場所に、見慣れない白い花がたくさん咲いていたので、sense of wonder のメンバーに画像を送って聞いてみたところ、仙人草との返答だった。クレマチスの原種で、毒草だという。今まで見たことがなかったので、どこかから種がやってきたのだろうか。ともあれ、ながめる分には可憐な花だ。
 挿し芽が可能、との情報ももらったので少し持ち帰り、改めて草姿をながめてみると…先に書いた出自不明の蔓にそっくり。しかし、裏庭にクレマチスが咲いたことはないし、植えた覚えもないので、この際いっしょに挿し芽をして、様子を見ることにした。同じ仙人草なのか、はたまた別の種なのか。今後がたのしみだ。
 

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 お盆のあとは、メキシカンブッシュセージやレモンマートルなど先月の交換会でやってきた苗と、ようやく根付いたニンドウもあわせて室内管理仕様の鉢植えにする。セロリの苗も鉢に植えてみたが、ポリポットのまま置いていたら暑さのせいですっかり弱ってしまった。なんとか復活してくれるといいのだけど。
 弱ってしまったといえば、能登から昨年持ち帰ったプリムラも、この酷暑で瀕死の状態になってしまった。もとより夏に弱い植物と言われているのに、ケアが足りなかった。目下は鉢を日陰に移動させて様子を見ている。株が増えたところでのこの状態、さすがに自分の至らなさに地味に凹む。かろうじて根は生きているようなので、秋に復活してくれることを願っている。

 

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 そして、こちらは安定(?)の一個だけシリーズ…いちじく編である。あいかわらず、どうしてあげるのがいいのかさっぱり分からないが、ひとつだけ立派に育ったいちじくはそれなりに熟し、やわらかく甘かった。
 今月は、先月に引き続きオクラがぽつぽつと花を咲かせ、数日おきにいくつか収穫ができた。以前は外庭に植えていたので収穫のタイミングを外すこともあったが、今年は内庭でプランターで管理しているので窓から様子を見ることができ、収穫もしやすくなった。来年も植えてみようと思う。
 
 

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