ちいさな庭だより。2024年10月号。

[intro]
 10月も中旬を過ぎたあたりから、ようやく秋らしくなってきた感じがする。街なかの木々も色づきはじめ、秋の花々もやっと咲くようになった。今月は恒例の草花交換会もあり、来春に向けての庭じたくの良いキックオフになったように思う。
 
 
[街なかの、裏庭より。]

(ダンギク)

 
 今月は何かと番狂わせなことが多く、先月末にいい塩梅になった鉢の配置をバラすハメに。とても残念だが仕方がない。お隣さんの解体工事も本格的になってきたのでタイミングとしては悪くないのだが、ホースが届かない位置への鉢の移動があって、少々水遣りが難しい状態になっている。一定量の雨が降るとそれなりに濡れる場所なので、それでしばらく持ちこたえてくれたら、と思っているところ。気温が下がってきて、カラカラに乾くということがなくなってきたのは幸いかな。
 旧宅の除草作業は2/3程度終えた。ドウダンツツジがだんだん赤くなってきて、いよいよ秋だなぁ、と感じる。畑だった場所はすっかり秋明菊の独壇場になっている。春に取られたポリゴナムも復活して、金平糖のような愛らしい花をたくさん咲かせている。
 

(コバルトセージ)

 秋=紅葉、で赤のイメージが強いけれど、ダンギクやコバルトセージ、ノコンギクなど青系の花もある。コバルトセージは今季もやっぱりいつの間にか咲いている感じ。風にそよぐ姿がとても気に入っている。元の苗は元気で、昨年挿し芽をした苗も1つだけなんとか生き残り、花も咲かせている。
 

(睡蓮)

 今月中旬まで、10月とは思えないような高い気温だったせいなのか、ここにきてようやく睡蓮が1つ花をつけたのには驚いた。夏のあいだにほとんど咲かなかったのは、さすがに暑すぎたということなのか。花を見られたのはうれしいけれど、なんとも複雑なきもち。
 

(ゲンノショウコ)

 この秋はゲンノショウコがたくさん花を咲かせた。鉢の中にはこぼれ種が発芽している様子も見られる。清楚でとても好きな花なので、増えるのはうれしい。これもまた秋のたのしみのひとつ。
 

(秋の草花交換会・富山会場)
(秋の草花交換会・魚津会場)

 中旬には恒例の草花交換会に参加。なんとなくのイメージだが春の会がビギナーコースで、秋の会はアドバンスコース、といった感じがある。冬越しというハードルがあるせいだろうか。(近年は夏越しの難しさもあると言えるけれど…!)
 今回は苗はサンスベリアやサボテン、利休梅にハイゴケなど、あとは小さめの駄温鉢やサギソウ植え替え用の浅鉢といった資材を多く交換させてもらった。サギソウの植え替えは、来春にワークショップもしてもらうことになった。交換会から新しい動きが生まれるのも、またたのしみだ。
 富山会場で引き取ったローゼルは、水に挿しておいたら発根していたので、いきなり冬越しにチャレンジすることに(笑。耐寒気温が5℃では、ここでは難しいかも…と思いつつも、根付いているのに処分するのは心苦しいもの、ここは一か八かやってみることにした。
 

(ミノムシ)

 交換会両日、活動資金を集めるために販売されていたユーカリのスワッグに、1cmほどのちいさなミノムシたちを発見!ある意味では害虫なのだけど、いくつかの自治体では絶滅危惧種とされているそう。これが、ながめているとなかなかおもしろい…ので、しばし観察することにした。食草は比較的バリエーションが多いみたいだけど、我が家にはユーカリがないので、代わりに何を食べるかいろいろ試してみた結果、ブルーベリーの葉を御所望になった。
 

(ナミアゲハの終齢幼虫)

 虫といえば、こちらも紹介しておかねばなるまい。いつの間にか、ガーデンルーを食べて育っていたナミアゲハのコ。昨年のような失敗はすまい、とかなり気を遣っていたのだけれど、残念ながら蛹化不全でみまかってしまった。残ったルーの枝を挿し芽して、食草を増やして次こそは羽化までこぎつけたい、と思っている。
 

(ツマグロヒョウモン・雄)


(ツマグロヒョウモン・雌)

 そして、秋の恒例行事(?)、ツマグロヒョウモンはひとまずこの庭にいた幼虫たちをほぼ収容した(と思う)。10匹を里子に出し、残る幼虫は19匹、蛹は2つ。今のところは11匹が羽化。雄と雌は目下は半分ずつくらいだろうか。なので、当初は少ないかと思われたがやっぱり30匹を超えてきた。産卵のタイミングが結構ばらけていたのと、スミレが生えている鉢の薬剤の半減期などの関係で、なんとか食草は賄えそうだ。それでも食べられてほしくなかったヒラツカスミレやニシキスミレ、あまり人気がないと思われたタチツボスミレまで結構食べられてしまったので、来季がちょっと心配。スミレは増えてくれる分には構わないんだけどなぁ。
 

(ヤマボウシの葉)

 ともあれ、諸事情あって満足のいく状態ではないながらも、庭のお世話は引き続きできることをできるようにやっていくことになる。このあとは全体的な除草作業とクリスマスローズの植え替え、いちじくやブルーベリーの剪定。そうだ、さつまいもはどうなっているだろうか。休眠を終えたシクラメンや球根を植え直したチオノドクサ、ヒヤシンスやチューリップ、シラーなど、これから芽吹きがたのしみなものも控えている。
 
  
 
[ロザリアンへの途…いちおう、秋バラ。]
 


(マダム・ヴィオレ)
(ザ・ジェネラス・ガーデナー)


(フラウ・カール・ドゥルシュキ)

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