ちいさな庭だより。2021年9月号。
[intro]
ときおり残暑を感じる日もありつつ、それでも朝晩の気温が下がってきて、いよいよ秋だな、と思わせる気候になってきた。聴こえてくる音も、蝉の声からコオロギなど秋の虫の音にバトンタッチだ。暑さが落ち着いてきたからなのか、一部の植物たちが、まるでホッとしたかのように新芽を伸ばし始めている。
[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]
今月は初旬から雨が続いたり、台風の影響などもあって、庭に出る日が少なかったのだけれど、晴れ間に少し草むしりをしたり、植え替えや挿し芽を進めたりした。一度手をつけると、ああ、あれも、これも、と一日みっちり日が暮れるまでやってしまうのだけど、ここのところ着手するまでにもたもたしてしまうことが多くなっている。まだ蚊がいて、しつこく狙われるのがどうも…ということもある。
台風で野菜たちは支柱ごとすっかり斜めに傾いてしまったが、とりあえずミニトマトとトマトは傾いたまま花や実をつけている。味は薄めだけれど、まだ食べられそうだ。この他には、先月に引き続きオクラを何度か収穫。このあとは落花生と、鉢植えの里芋がどうなっているかが気になるところ。
春の花苗交換会でお預かりした藍に、いよいよ花がつきはじめた。こんなに可憐な花なのだ、と驚く。こういう出逢いというか、発見があるから、たのしくてやめられない。SNSでは生の葉で染物をする人の様子もちらほら。ターコイズのような、明るい空色に染まるらしい。
今年は蝶たちのお世話はナシかなぁ…などと思っていたら、ある日、窓の外にひらひらと、あまり見かけない感じの蝶が飛んできた。気になって調べてみたら、ルリタテハだった。ホトトギスやユリを食草にしているというので、まさかと思いつつ、裏庭のホトトギスを見てみたら…卵と幼虫を発見!
飼育ケースに入れて、お世話をしてみることにした。さらにはニオイスミレの葉に、ツマグロヒョウモンの卵も。初旬には1コだけだったが、下旬になって6コ見つかった。成虫のオスの個体は何度か庭で見かけたが、いつの間に産卵していったのだろう。ともかく、一か月ほど遅れて、今年も蝶たちと向き合うことになったのは、ひそかにうれしい。
一方で少し残念なことも。愛らしい黄色の花を咲かせるルドベキアを今年もたのしみにしていたのに、植え替え後どうも調子が良くない。よく見てみたら、根がまったくなくなっている。腐ってしまったのか、それとも何者かに食べられたのか。新しい根が生えてくることを期待して植え直してはみたが、どうなることやら…。
[ロザリアンへの途…ようやくの、秋バラ。]
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