ちいさな庭だより。2020年6月号。

[intro]

 梅雨真っただ中である。これを綴っている今も、窓の外は激しい雨。
植物たちにとっては大切な水分ではあるけれど、強い風を伴って激しく降られると、心配にもなる。特に畑の方は、夏野菜が結実しつつある時期。天気のことは誰に文句が言えるわけでもない、とわかってはいるけれど…。雨が止むたび庭に出て、一喜一憂する。

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[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]
 
 きゅうりがぶら下がり、タイマツバナが咲くと夏の訪れを感じる。本当に少しずつではあるが、畑に植えた作物が収穫できるようになってきた。まずはミニトマト、そしてししとう。ミニではない方のトマトは、結実してはいるけれど、まだ青いままだ。
 リベンジ、そしてある意味初めてのトウモロコシは、とりあえず実ができつつある。いわゆる髭の部分がナメクジの食害にあっているので、ちゃんと受粉できているか心配ではあるが。それにしても、ある日突然に髭が発生する(そのように見えている)のが、おもしろい。先月号で触れた、植え直した苗にも、ちいさいながら実がついた。
 どの野菜も、もちろん食べられるに越したことはないが、その生態を観察している時間もとてもたのしい。些細な疑問も、浮かんだらできるだけ早く調べてみることにしている。そうすると、普段は店先で手に取る野菜たちが
どのようにしてそこに並んでいるか、を知ることになる。野菜そのものはもちろんのこと、生産者の方々の日々にも思いを馳せる。知らないこと、驚くことばかり。

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 野菜はこの他、初挑戦の落花生になんとか花がつき、オクラも蕾がついてきたところ。そして中旬には、ルッコラの種をたくさんいただいたので蒔いてみた。発芽が早くて驚く。葉を収穫するものとは別に、スプラウトにも挑戦。これなら台所で眺めてたのしみながら育てられる、と思ったのだが、意外に難しい。種の量が多すぎるのか、すぐに腐ってしまうのだ。収穫への道のりは遠い…かもしれない。
 
 今月は父の一周忌もあったため能登に出かけ、庭の草むしりもした。
サツキのちいさな苗とニンドウの挿し穂を持ち帰って植えてみたところ、サツキは根付いたようだが、ニンドウが思っていたより難しい。発根促進剤をつけたのが、かえって良くなかったのだろうか。

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 法要を終えて戻り、生い茂る山芋と朝顔にうんざりしながらこちらでも草むしりをしていて、ふとポットを見ると、見慣れない双葉が。なんと、出来心で植えてみたアオツヅラフジが発芽していたのだ!結実するまでにはそれなりに時間がかかるらしいので、気長に手入れしていくことにする。
 そしてうんざりしているといいつつも、決して蔓性の植物が嫌いなわけではないので、山芋と朝顔をそれぞれ鉢に植えることにした。

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 上旬に、杏の枝にアメリカシロヒトリが発生したので、枝打ちをしてひとつだけなっていた実も収穫、胃袋に収めた。クランベリーはちいさな白い花をたくさん咲かせていたが、風の強い日にすっかり花びらが飛ばされてしまい、今は緑の風船をたくさんぶら下げている。紫陽花に押されがちないちじくは、これからおおきくなるだろうか。とにかく目まぐるしく状況が変わっていくので、植物たちの成長・変化についていくので手一杯だ。
  
 

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