ちいさな庭だより。2019年12月号。

[intro]

 この時期の北陸にしては珍しく晴天が多い気がする、今年の年末。にもかかわらず、やれ作品展だ番組収録だ、ともたもたやっていたらすっかりタイミングを逃してしまい、雑然とした状態のまま、年越しを迎えてしまった…。
 

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[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]
 
 わたしが管理している玄関先の鉢植え以外は、基本的には父のものだったので、思えば夏からずっと遺品整理をしている、ということなんだよなぁ、としみじみしているこの頃。いや、しみじみしている場合ではない…ドウダンツツジの生け垣もすっかり落葉してしまったため、荒れたトマトの畑があらわになってしまって、ちょっと恥ずかしい。
 ふりかえってみると、畑はもちろんのこと、アジサイの剪定に、冬ともなれば雪囲いに、溝の掃除に…実に多くのことを父にしてもらっていたのだ。本当に頭が上がらない。
 突然にいなくなってしまった人の代わりを一人でやるというのは、容易ではない。正直、どこから手をつけたらいいのかもわからないでいた。そんな中で草むしりチーム [sense of wonder] ができたことは、救いだった。植生を確かめながら、たのしみながら作業を進められたことで、少しずつやるべきことが見えてきた。
 予定通りになるとは必ずしもいえないけれど、この冬の間に、一度ゆっくりと庭の作業のプランを練ってみてもいいかもしれない、と思い始めている。春にはまた苗の交換会にも参加したいし…あっ、そんなことを考えているから鉢が減らないのか…。ともあれ、ちょっとずつでも、できなかったことができるようになると、それはそれで喜びになるだろうし、今さらかもしれないが、父が日々何を思って過ごしていたかをたどることにもなるのではないか、とも思う。焦らずやっていこう。
 

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