ちいさな庭だより。2020年5月号。

[intro]
 
何かと右往左往した春が過ぎ、緊急事態宣言も解除され、少しはほっとしてもいいのだろうか。庭の植物たちは、人間のことにはお構いなしに花を咲かせ、繁茂している。秋明菊や十薬の濃い緑の葉の中に、ユキノシタやミツバの花が細々と白く浮かび上がるように咲いて、愛らしい。蟄居の間におおよその草むしりを終え、畑もいよいよそれらしくなってきた。
 

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[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]
 
 今月に入っても相変わらずときおり強風が吹くので、植えたばかりの野菜苗が心配になる。キュウリは最初に植えた苗が風と上旬の低温のせいか絶えてしまった。このあたりではGWが明けた頃の方が、幾分は気温も安定するのかもしれない。苗を新たに買って植え直したところ、順調に育ち、目下はちいさな実さえつけている。

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 トウモロコシは4つ植えたうちの1つが、やはり強風で根元から折れた。しかしちょうど新しい根が出始めていたので、なんとか復活できないか、と一時的に赤紫蘇のプランターの隅に植えて様子を見ていたところ、新しい葉を伸ばし始めた!そっと掘り上げてみると根が育っていたので、元の場所にまた移植。他の3つからは少々遅れをとってちいさいけれど、目下は順調に生育中。 

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 気温が上がり始めたのに比例して、トマトとミニトマトがぐんぐん大きくなってきた。どちらも花を咲かせ、青い実がふくらみはじめている。昨年は外庭に植えっぱなしになってしまったので、今年は内庭で、ちゃんと支柱をたてたり芽かきをしたりして様子を見ている。この他にはししとう、里芋、なすを植えた。オクラは種が残っていたのを蒔いてみたら発芽したので、もう少し大きくなったら植え付ける予定。落花生も種を買って、ちいさなポットで発芽させ、植え付けた。こちらは初めて育てるので、どうなることやら。秋が楽しみだ。 
 

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 実ものもいろいろと状況が変わりつつある。風で困ったといえば、杏もまた。10コほども実があるか、と先月書いたのが、強風でほとんどがなくなってしまい、一番大きな実が1つだけになってしまった。日々庭に出て見上げては、確認している。枝がどんどん伸びてきているので、少し剪定しなくては。
 一方、先月号で書いた、風で折れたブラックベリーは、半ば諦め気味に日陰に鉢を置いておいたのが、中旬だったか、ふとみると新芽が出ている!今季は残念ながら収穫は見込めないけれど、新芽が出たということは花さえつけば結実するはずなので、このまま育ってぜひ来年は実ってほしいと思っている。
 

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 そのほかのベリー類は、目下はいちごが収穫できるようになったところ。畑にあるプランターの方が収穫量はあるのだが、ナメクジたちとの争奪戦になっている。地植えにしている方はどういうわけか、かろうじて無事。ワイルドストロベリーもいくらか食害が見られるが、やはり大きい実の方が魅力的なのか、それほどひどい状態にはなっていない。こちらとしてはジャムにするのはワイルドストロベリーの方がいいので、まあいいか、といったところ。ストロベリーポットに移植した苗が元気に育ってくれていて、うれしい。クランベリーはようやく花が咲いたところ。ブルーベリーは結実し始めた。なんとなく葉が少ない感じがしているのが心配といえば心配。
  
 ここしばらくの風以外の困りごとは、山芋の蔓。予想していた通り、もともと地中に根があるものに加え、昨年落ちたむかごもどんどん芽吹いて伸びてくるので、見つけしだい取るようにしている。今季はとにかくむかごが落ちるのを減らす方向だ。蔓は引っ張るとたいてい折れてしまうのだけど、ときどきうまく土から抜けて根もついてくることがあり、ものによっては食べられる状態にまで育っていたりするので、困りごとといいつつも、ちょっとおもしろい。夏野菜の収穫が一通りできたら、土を起こして山芋を掘り出してみようと思っている。
 

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