ちいさな庭だより。2021年11月号。

[intro]
 山の頂が白くなり、里では雪の便りもちらほら聴こえてきた。いよいよ冬将軍さまのお出ましだ。週末にはあちらこちらで、車のタイヤを冬用のものに替えている音がしていた。昨シーズンのような厳しい冬にならなければいいな、と思うこの頃だ。
 
 
 
[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]

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 11月に入ってほどなく、落花生と里芋を掘った。畑としては今季最後の作業である。結果は、といえば、想定内であった。特に落花生に関しては、結局土寄せも施肥もほとんどできていなかったので、無理もない。豆花花生が1食分やっとつくれるかどうか、という量。葉もよく繁り、花の数も多かったのだけれど、土にもぐれていない、という印象だ。中には何者かに食べられてしまっている実もあった。とにもかくにも、ケアが不十分であったとしか言いようがない。かろうじてピーナッツシロップを少々つくって楽しんだ。
 里芋の方も、もとより深めの鉢でのチャレンジだったので、食べられる状態のものができてよかったね、という程度だ。こちらはどうやって食べようか、まだ考え中。
 杏と花梨は気温の低下と共に一気に紅葉し、強風の日に落葉。ブルーベリーはまだあざやかな赤い葉を残している。アキグミも落葉し、今は枝の間に丸い赤い実が揺れている。渋いのを知っているのか、鳥たちが食べていくこともない。しかし今季はそのアキグミの込み入った枝の中の棘に、モズの早贄があった。コオロギかなにか、虫が刺さっている。毎年この早贄の高さで雪の深さを予想する、というのがあるが、もしこれが当たるのであれば、今季は昨シーズンよりは積雪は少ないようだ。センスオブワンダーメンバーの報告では、カマキリの卵も、今季はとても低い位置に産卵があったという。動物たちの積雪予想、どうなることやら。

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 先月フィーバーが起こったツマグロヒョウモンたちは、その後今月に入ってようやく最初の1匹が羽化した。脱皮や蛹化ものんびりした雌だったが、羽化したあともすぐに飛び立つということはなく、どういうわけか羽化後2日も我が家でまったりしてからの旅立ちとなった。成虫になってからはスミレではなくコスモスやセイタカアワダチソウを好むとのことだったので、近くの空き地からセイタカアワダチソウを一枝拝借して与えてみたり、こちらはあたふたするばかり。いてくれるのはうれしいけれど…と少々複雑な気持ちだったが、天気が変わりやすい時期だということをわかっていたのだろうか、一日中安定して晴れた日に、元気よく飛んで行った。
 2匹目以降は蛹になっている個体が6つ、あとは残念ながら脱皮不全などでずいぶん数が減って、現時点で幼虫が8匹。もともと越冬しない種なのだけど、幼虫は寒さに比較的強いということなので、このまま自動的に冬越しにチャレンジすることになる。飼育ケースに入った状態なので、少なくとも戸外よりは過ごしやすいだろうが、暖房などで周囲の温度が上がると蛹は羽化してしまう可能性もあるので、ここはぐっとこらえて、あえて暖房のない場所にケースを移動して、見守っていくことにした。
 
 
[ロザリアンへの途…冬支度。]

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