ちいさな庭だより。2019年11月号。
[intro]
やらなくちゃ、と思っているのに、そういうことほど天候やスケジュールに左右されがちだったりもする。庭の作業に手をつけられないまま、あっという間に月末。あられは降ったが、さすがに雪はまだだ、間にあう!とばかりに、ようやく重い腰をあげた。秋が大慌てで立ち去るかのように、紅葉した花梨や花水木の葉が風に吹かれて落ち、いよいよ冬のおでまし、といったところか。
[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]
きゅうりのネットやら、何かしらの蔓やら枝やら葉っぱやらを捨てたあとも、まだ実がぶら下がっているから、とそのままにしていたピーマン・万願寺とうがらし・ししとうをいよいよ片付けた。気温が高い日もあったせいか、少ないながらもここまで長い期間、収穫できたことはありがたかった。
すっかり枯れ果てた大葉も、撤去。おそらく種があちこちにこぼれているだろうから、来春に発芽したものを鉢にまとめることになるだろう。
今回は、以前からずっと気になりつつも手をつけていなかった、畑の奥の片付けをした。いつもなら、父にかなり深く剪定されるヒメウツギだが、刈る人がいなくなったものだからずいぶんと枝が伸びて、庭の奥に入るにはちょっと邪魔に思うほどになっている。まずはこれを少し切った。この先には、いったい何が植えてあるのか分からないプランターがいくつか並んでいる。これを移動させる。
先月取ったものよりちいさな里芋の苗が残っていたので引き抜いてみたら、思いのほか食べられそうな状態だった。これまた、ありがたい収穫。
真っ赤に紅葉したドウダンツツジの向こうにあるトマトたちは、さすがにもうダメだろうと思ったが、未だに実をつけているので、青い状態で取れるだけ取って、追熟させている。雪が積もる前には撤去したい。
そして、今季は菊がよく咲いている。あちらこちらに分散して鉢が置かれていたのだが、玄関から内側の庭に向かう通路沿いにまとめて置くことにした。8月下旬から咲いているものもあったが、今月に入ってさまざまな色の小菊がよく咲いてくれた。
今までは、黒っぽい、アブラムシのようなちいさな虫が茎にびっしりついて、蕾がついても咲かないまま枯れてしまうことも多かったのが、こまめに虫を取り去ったり、少しだけ薬を散布したこともあるのか、花の数も多く、元気だ。
父が亡くなる数日前まで、手入れをしていた菊たち。母によると、庭の菊は仏前に供えても長持ちしてくれるそうだ。きっと、喜んでながめているに違いない。
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