ちいさな庭だより。2021年12月号。

[intro]
 12月にしてはあたたかい日が上旬にあったので、これは動物たちの積雪予想(前号参照)通り暖冬なのかしらと思いきや、中旬から下旬に2度もまとまった降雪。そしてこの年越しのタイミングで、また雪である。とはいうものの、積雪は昨シーズンほどではなく、モズの予報は今のところ当たっているようだ。

 
[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]

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 一部関係者にはすでに話しているのだけれど、この度、ここに書いてきた庭を手放すことになった。唐突なように見えるかもしれないが、実はこのところしばらくずっと考えてきたことで、いつかは決めなければならないと思っていたこと。むしろ、遅いくらいだ。タイミングとしてはギリギリかもしれない。
 新しい住処には、畑をする土こそないけれど、かろうじて鉢を置く場所は少々あるので、この庭だよりは継続するつもり。規模縮小、コンテナガーデン化である。すでに一部の植物たちは、新居に引っ越し済みだ。果樹の一部やハーブ類も今後移動させる予定なので、これからしばらくは植物たちの引っ越しについてのあれこれを書いていくことになるかと思う。

 

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  センスオブワンダーメンバーの提案で、正月飾りに庭の南天やアカメヤナギ、イチイの枝などをつかうことになった。心遣いが何ともうれしい。南天とイチイは地植え、そしてアカメヤナギは鉢植えだったのが根付いてしまい、移動できなくなっているので、新天地には連れていけない。もともと切り花として入手し、水に挿しておいたら発根したのを植え付けたので、同じ方法で鉢上げできれば、と思っているところ。
 
 

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 12月に入って、ちょうど最初の降雪の何日か前、まだ気温がさほど低くないタイミングでツマグロヒョウモンの蛹がひとつ、さらには雪が降ったあと、寒い中もうひとつ、なんと羽化してしまった。どちらも男子。しかも後者は蛹の時間が長かったせいなのか、羽根がちゃんと伸び切らず、ストロー状の口も少し不自然な状態。飛べないわけではないけれど、気温が氷点下になる日もあるのでさすがにこの寒空の下に放すのは酷だと思い、どれだけ生きながらえることができるのかはわからないが、我が家で一生を過ごしてもらうことにした。飼育ケースでの暮らしは、そもそも彼らの本来の姿ではないし、本当なら放してあげたいけれど。こればかりはタイミングが悪かったとしか言いようがない。強風や雪、また天敵に遭うことがない、という点ではいいのかもしれない、と思うことにする。
 とにかく彼らの主食(という表現でいいのかどうかわからないけれど)である花の蜜が用意できない時期なので、ハチミツをお湯でかなり薄く溶いて冷ましたものをティッシュペーパーにふくませ、飲んでもらっている。1回目は拒否されたが、2回目からはなんとか飲んでくれるようになった。羽根をゆっくり動かしながら、よたよたと手によじ登ってくる姿がいとおしい。まさか蝶たちとの暮らしがはじまるとは思ってもみなかったが、これもまた大切な学びの機会なのだろう。
 
 
[ロザリアンへの途…と、いうわけで。]

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