ちいさな庭だより。2019年10月号。

[intro]
 
全国的に激しい風雨による被害が相次いだ10月。その影響もあり、こちらも結局、満足に庭の作業が進まないまま土用入り。朝晩は気温が一ケタになることも多くなってきたけれど、日中の最高気温が20℃を超えることもあり、できることから少しずつ手をつけているところ。こんなおかしな気候にもかかわらず、植物たちはもう、それぞれに冬の仕度を始めている。

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[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]

超大型の台風がやってくるかも、と聞いて、まず着手したのはきゅうりのネットの撤去だった。ネットの向こう側に植えてある夏椿や秋明菊の、やわらかい葉や花がネットで傷つくのが何だかかわいそうだな、と思ったので。そうでなくても、窓から見える夏椿の姿が、ネットに遮られていて以前からあまり好みでなかったので、父には申し訳ないがここは思い切って撤去させてもらうことにした。
きゅうりそのものは枯れてしまっていたのだけれど、蔓が夏椿の方まで伸びていて、簡単に取れる、という状態ではなかった。ネットや蔓をはさみで切り、支えになっていた竹竿を抜き…となかなかの重労働。逆を言えば、これだけの作業をこれまで父はひとり黙々と、思うようにならない身体でやっていたわけだ。紐や針金の具合に、そんな父の姿を思い出しながらの作業となった。
 
 
台風一過で、次はつるいんげんと白ゴーヤーのグリーンカーテンを撤去。どちらもちいさいながら実をつけていて、いくらか食べられそうな大きさのものもあったので少し様子を見ていたのだけど、さすがに枯れはじめたので、こちらも思い切った。つるいんげんについては、さやに入ったままの状態で発芽している豆もあり、その生命力に驚かされた。
これで内側の畑と窓の間に遮るものがまたひとつなくなり、すると今度は台風に翻弄されたピーマンやししとうの苗が気になる。しかしこれももうそう長くは持たないと思ったので、弱っている苗は抜いて、実がついている苗だけを残した。
 
外側の畑のトマトたちは、外側にある、というだけで若干手入れが億劫になってしまっていたのだけど、行って見ると、強風にもめげず、先月に引き続き、まだ青い実をつけていた。落ちてしまってはいたが、中にはしっかりと赤くなっているものも。ほどほどの大きさの実を取ってきて、家の中で追熟させるとちゃんと赤くなり、見た目は店頭に並んでいるトマトとさして変わらない。それでも生で食べるにはちょっと味が薄そうだな、と思ったので、パスタのソースにしてみたところ、トマトらしい酸味も感じられてとてもおいしかった。
残っているピーマンとししとう、それとトマトたちは、土用明けを待って撤去する予定。

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