ちいさな庭だより。2021年4月号。

[intro]

 爆弾低気圧に翻弄されながらも、なんとか春の土用前までに畑の土を起こすことができた。4月にしてはまだ寒さが残る感じもするが、植物は着々と動き出している。そのひとつひとつを確認するのが、こころのささやかな支えになっているこの頃だ。
 

[畑のこと…よしもと農園の、今月のヒトコマ。]

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 新しい長靴を入手したので(ようやく!)、張り切って畑の草むしりと土起こしにとりかかった。今さらではあるが、貯め込んでいた卵の殻や、コーヒーやお茶の出しがらを堆肥化したもの、また道具小屋の奥に眠っていた堆肥などもすき込んでみた。ホームセンターに野菜苗が並んでいたけれど、まだなんだかうすら寒い日もあるし、植え付けは連休が明けてからにしようと思っている。上旬に落花生やオクラの種を蒔いてみたが、発芽率があまりよろしくない。これもあわてず様子を見ようと思う。
 先月移植したイチゴの苗は、新たなプランターで順調に育っている。玄関先に地植えされた苗や、野イチゴの方も花の数が例年より多い。今年はジャムが十分作れるくらいの収穫量になるだろうか。

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 花が咲くのが少々遅いような気がしていたブルーベリーも、ようやく咲いた。クランベリーは新芽が伸びてきたところ。花はもう少し先だ。ブラックベリーは葉が育ち始めた。ヤマグミは星のような白い花をたくさんつけたのだが、中旬にひどい風にあおられて鉢が幾度も倒れ、枝が折れたり傷んだりしてしまった。仕方なく枝打ちして、様子を見ているところ。ヤマグミの実は小さくえぐみが強いので、我が家ではどちらかというと観賞用だ。愛らしい花のあとは、繁った葉にテントウムシの幼虫が育つことがあるので、それをたのしみにしている。

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 先月開花報告をした杏については、こちらの期待を知ってか知らずか、実が育っている。低気圧による強風は時に風速10mを超えることもあったため、細い枝についている実などは落ちてしまわないか心配していたが、今年は結構残っている模様。日に日にふくらんでいく実をながめるのが日課になりつつある。

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 さらにうれしいことに、いちじくも今年は収穫できるかもしれない。フサスグリと並んで、あいかわらず向き合い方がいまひとつ分からないもののひとつではあるが、今年は機嫌が良さそうだ。おとんの仏前にひとつでも供えてあげられたら、と思う。
 この他、ハーブ類もおおむね順調に育っている。ワイルドタイムがちょっと心配ではあるが、いちおう新芽が確認できているので、これからゆっくり育ってくるのだろうと思っている。コモンタイムは蕾がつきはじめたところ。ご近所さんが畑から分けてくださったパクチーに、花苗交換会からやってきたTさんのイタリアンパセリも元気だ。チーム [sense of wonder] のMちゃんにもらったディルなど、食卓で活躍してくれるものも増えた。台所の窓辺では新たに蒔いたルッコラやミックスカラーのレタスなどが芽吹いている。外側からも内側からも、こんなにもわたしたちは植物のお世話になっているのだ、とつくづく思う。
 室内管理の植物の中では、件の侘助がいよいよ育ち始めた。活着しているのかどうかはやっぱり分からないままだけれど、2階に移動した八重咲きの鉢のタケノコ芽がいちばんよく育っている。他の鉢も気配はある(笑)ので、引き続き様子を見ていくことにする。
 

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