ニノウデフェチの夏休み⭐︎

 わたしの夏休みです!

水戸芸術館 沈みゆく身体と陽

 時間を好きなように使える夏休みだからできることを一つやろうと思い、水戸芸術館現代美術ギャラリーに通うことにした。毎回、天気や時間をずらして行くようにしたり、じっくり鑑賞する日とそうでない日を作ったり、天井だけ見てまわる日にしたり…。とりあえず色々やってみた。少しの変化も芸術館ではかなり大きいものに感じた。
 現代アートを鑑賞している時、私は身体中がモヤモヤでいっぱいになる。そのモヤモヤの形や色、手触りは様々でなかなか手に負えない。だが、そのモヤモヤを言葉や絵として形にしてみると、自分が形づくられ、輪郭がはっきりしていく感覚を得られる。他者が作った作品によって自分が形づくられていくというところにアートの持つ不思議な力を感じる。
 他にも、無理に作品を理解しようとするのは私の傲慢なのかもしれないと思うようになり、分からないものはとりあえず分からないものとして、体内に蓄積させるようにしている。自分が実際に本を読んで学んだこと、抱えている課題や悩みと作品がリンクしたときに、生きる糧になる気がする。

お気に入りスポットマップを更新

 自分だけの地図を作る、持つのが小さい頃から好きでいつも頭の中で地図を描いている。そのうちの一つのお気に入りスポットマップに県立図書館の3階を追加した。3階の会議室の窓は大きくて景色がよく見える。勉強していて疲れた時に見ると、心の窓が開いて風通しが良くなる。これは湿気対策効果抜群。
 最近私は、額縁を持ち歩くイメージで生活をしていて、何かを見る、観察するときは額縁の中にその景色があるのだ、と想像している。額縁というもので断片的に切り取られたいくつもの景色を自分で繋ぎ合わせるのが楽しいし、額縁があると景色が一つの絵画作品のように思えて、ゆっくり観察するようになる。

感動した本

ユリイカのマヒトゥ・ザ・ピーポーの特集をやっと読んだ。言葉や感情を時間の流れの中に入れていく感じがすごくきれいで好き。マヒトはいつもどこかしらからは血が出ていそう。そのくらい本気でものを見ていないと書けない詞がある。

 この夏全てが身体という記録装置に記憶されていて、何よりも信頼できて楽しい。今年の太陽が焼いたニノウデもかたちとして残っていて嬉しい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?