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氣づきの国語辞典「ホリ」編

彫る→ 「方形の箱または鐘などの器物に彫刻が

一面に施されている」象形(「彫刻が遍く行き渡

る」の意味)と「長く流れる豊かで艶やかな髪」

の象形から、「飾りとして彫刻が行き届いてい

る」、「ほる」、「きざむ」、「飾る」を意味

する「彫」という漢字ができた。

掘→ 「5本の指のある手」の象形と「獣の尻が変

形したものと毛の生えている象形と窪みの象形が

変形したもの」から、腰を屈めて穴を「ほる」を

意味する「掘」という漢字ができた。

同じ「ほる」って音でも飾りや刻むという意味の

彫ると穴を掘るがあることを知った。

江戸時代に活躍した漂白の僧、円空(えんくう)

が掘ったとされるのが微かな笑みを浮かべる慈愛

に満ちた仏の顔と怒りを露わにした憤怒の顔を

一つの体に備え、表裏2本ずつの手足を持つ鬼

神である両面宿儺(りょうめんすくな)像。

人気漫画『呪術廻戦』の主人公・虎杖悠仁(いた

どり ゆうじ)に憑依した“呪いの王”として有名

になった。

初出は日本書紀。

体は一つで二つの顔を持ち、その顔はそれぞれ反

対方向を向き、頭頂部で一つになり、うなじはな

かった。

それぞれに手足があり、膝はあったが、その裏の

くぼんだ部分とかかとはなかった。

力が強く、敏捷。左右に剣を帯び、四本の手で弓

矢を使った。

天皇に従わず、人民を略奪して楽しんでいた。

そこで天皇が和珥臣の祖とされる難波根子武振熊

を遣わして、宿儺を殺させたとある。

飛騨高山に近い丹生川町日面(ひおも)にある

「普門山善久寺(ふもんざん ぜんきゅうじ)」

には宿儺の出現の様子を詳しく伝える『両面宿儺

出現記』が遺されている。

日中に山が鳴動し、大魔神のような超ビッグサイ

ズの神が現れ、驚き逃げようとする村人に宿儺は

「恐れることはない。我は今、仏法守護、王法一

大事のときであるので、この世に出現したのだ。

現世に奉仕する者なのだ」

と告げたのを聞き、1人の男が宿儺に平伏再拝し

、「尊者の命に服したいのですが、お体が大きい

ので狭い我が家に招くことができません。」

と告げると宿儺は印を結び忽然と小身となり、十

一面観音に変化したため、男は大切に抱いて日面

村に帰り、接待したのち、庵を建てて宿儺に仕え

たといわれる。

慈愛に満ちた穏やかな表情の裏に激しい憤り溢れ

る憤怒の形相を併せ持つ両面宿儺は慈悲の心と共

に、一切の煩悩や誘惑に討ち勝つ強さを持った仏

様である。

すべては表裏一体。

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