國分功一郎 『スピノザ 読む人の肖像』読書会レジュメ(2023/10/8)1/3

(ページ番号は岩波新書『スピノザ 読み人の肖像』の参照ページ)

1章 読む人としての哲学者

●『方法序(叙)説』×『デカルトの哲学原理』
デカルトの命題「私は考える、故に私は存在する」の修正する p40
→ 隠された三段論法がある
「考えるためには存在しなければならない」という大前提が説明されていない
→ 「私は考えつつ存在する」
→ 証明する命題から描写する命題へ修正

●『省察』×『デカルトの哲学原理』
分析的方法と総合的方法
・分析的方法
→ 結果を分析することから原因にたどりつく方法

・総合的方法
→ 原因を提示することでそこから生じる結果を説明する方法(幾何学的方法)

デカルトは形而上学において分析的方法を支持している。
総合的方法は分析的方法で発見した真理を再構成して提示するものと考えている。p56

神の観念の形成・神の存在の証明
デカルト
神の存在を証明する必要性 
→ 様々な真理を分析から証明したとしても、神によって欺かれているかもしれないという懐疑が残る。
→ 神がそのようなことをしない存在である証明が必要
「我々が神についてそうした[明晰判明な]観念を持ちさえすれば、我々は、神の存在に関してもまた数学上の真理に関しても疑いえないであろう」
神の観念から早急に神の存在を証明しようとする。
→欺くのは何らか欠陥があるからで、完全な神はそのようなことをしない。
(証明ではなく希望の域を出ない) p64

スピノザ
まず神の観念をしっかり形成すべきとする。→ それができれば神の存在も証明できる
ア・プリオリな証明を重視。総合的方法を真に哲学的方法と考える。

スピノザと物理学
デカルト物理学を支持 → ・真空の否定 ・渦動論

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