vol.1 コピーとポエムの境界線にて。
コピーライターになって、気づいたことがあります。
それは、キャッチコピーを書くだけの仕事なんて、存在しないということです。
長いインタビュー記事を書くこともあれば、
社名やコンセプトづくりに携わることもあります。
もちろん、企画書ひとつとっても、言葉の意図や文章の緻密さを求められる。
これが、コピーライターという肩書きか、と。
そんな心地よいプレッシャーを感じながら、僕は思いました。
「もっと、文章を書く力をつけよう」
なので、今日から、
”写コピ”
はじめます。
ゆるく、ながく。
1回目は、いま、僕が、いちばん好きなコピーです。
君が行く道は、僕が行かない道。
僕が渡る川は、君が渡らない川。
あした、
友と違う道。
春は希望。
春は不安。
見る花が違う。
拾う石が違う。
寂しいけれど、
悲しくはない。
歩こう。
ノラ猫一匹、
友にして。
不安がるより、
面白がりたい。
人はみんな、
違う道しか歩けない。
どっちの道が
正しいかなんて、
ことじゃなく。
どっちの道が
得かなんて、
ことじゃなく。
どっちの道が、
どれほど大変で、
どんなに楽しいか。
ただそれだけの今。
-児島 令子-
earth music & ecologyで使用されたコピーです。
詩的な表現でありながら、書き手のひとりよがりな印象を全く感じさせないのは、このコピーの目的が明確に伝わってくるからだと、思います。
未来に向けて背中を押すというよりかは、今ここにあることを全肯定してくれている。
強いメッセージでありながら、暑苦しく感じないのは、
「花」「石」「ノラ猫」
という、とても身近で飾り気のない言葉が、入り込んでいるからなのかもしれません。
とても直感ですが、
最初に選んでおきながら、このコピーは相当難易度が高い気がします。
だから、今の僕の段階からすれば、これに習うというよりも、
コピーの奥深い部分に触れた、にとどめておくのがいいかなと。
いやあ、でもやっぱり、良いコピーだなあ。
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