学校という牢屋へ 浪人期の懇願
幼い日、あんなに行きたくなかった学校という機関がどれだけ甘やかしてくれる牢屋だったかを思い知っている。もう一度入れてくれ、ああもうこんななら、テストをほっぽってしまって、1年くらい留年すればよかった、あの輝かしい牢屋にもう一度入れてくれ、何を犯せばそこに入れるの。そんな美しい場所に。あんなに無気力に行っていた場所に今は喉が渇いて耐えられないほど入りたい。あの服をまとってそこに在籍したい、私の身分を確立したい、私は受容したい、教師の言葉のシャワーを浴びたい、あれは私にどれだけ救われていたんだろう。たとえ40に向けた言葉だったとしても、1の私はたしかに受け取っていたのた。かけがえのないコミュニケーションのひとつだったのだ、私にとってはそれが何より大事だったのだ、人を知ることは愉快だったのだ、ああ、ああ!狂ってしまいそうだ、寂しくて堪らない。どうか私に言葉をくれ。なにかをくれ。なんでもいいんだ、どうか、ねえ、それを愛と呼ばせて。
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