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【3453人集団食中毒後の選挙】八潮市長選挙&八潮市議会議員選挙レポ

8月29日告示日、9月5日投票日の八潮市長選挙&八潮市議会議員選挙。
昨年戦慄が走った八潮市内の学校給食が原因による、3453人集団食中毒事件がもろに選挙戦をジャックする展開に。
『東京DEEP案内』による"首都圏住みたくない町ランキング"1位に八潮市が選ばれてしまい、それに抗議する候補、利用する陣営が現れた。
五輪メダルラッシュ効果なのかスケートボード場を作る事を訴える候補が複数存在。
大日本ラブドール党、愛の力党、4年前に市民ファースト会公認で当選した議員等、個性派候補が複数存在した。
そんなディープ過ぎる八潮の選挙をお届けしたい。

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八潮市長選挙は現職VS共産党推薦候補の構図

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八潮市議会議員選挙は定数21に29名立候補。

首都圏住みたくない街ランキング1位と選挙

埼玉県八潮市は不名誉な点で話題になってしまった。
"東京DEEP案内"の首都圏住みたくない街ランキングが発表され、
あの川崎市を差し置いて1位になったのだ。

ちなみに八潮市は足立区の隣に位置する。

こういうランキングは選挙戦に利用される。
例えば昨年度の栃木県知事選挙。
選挙直前に都道府県魅力度ランキングで7年連続最下位の茨城県に代わり
栃木県が最下位を取ってしまった。
新人のたのべ隆男候補はそれを利用した。

"テレビで鍛えた演出力と説明力
魅力度ランキング最下位脱出!"

元NHK宇都宮放送局長という肩書きを魅力度ランキング向上にリンクさせる表現だ。

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しかし、"納豆にイチゴが負けてどうする"と何故か急に茨城県をディスり始め、
後ほど謝罪をする、レモン牛乳を飲んだ後みたいにまずい展開に。

では今回八潮ではどうだったのか!?

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"八潮市が、絶対に住みたくない街ランキング第1位(出典:首都圏住みたくない街)と言う本が出版されました。私たちはこの事実に困惑し、八潮市に納めた税金が市民生活の向上に直結した使われ方をしているのか?考えるキッカケとなりました。”

なんと、首都圏住みたくない街ランキングで
税金の使われ方に疑問を持ちました!!という急旋回批判プレーが行われていたのだ!!

一方、首都圏住みたくない街ランキングの出版社前で抗議する候補者も現れた。

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自ら悪の政治結社と名乗り、
大日本ラブドール党...???
ラブドールってあのラブドール!?
と思わず二度見をしてしまうが、兵頭よしたか候補は八潮秘宝館の館主なので
あのラブドールだ!

"スーパークレイジー君よりクレイジー!!"
スーパークレイジー君が自分の関わっていない選挙でも
利用される程の大きな存在になったと痛感する。

選挙ポスターには
八潮市民の敵、『東京DEEP案内』完全せん滅!
逢坂まさよし(『東京DEEP案内』作者)から特別名誉市民税を徴収!!

さらに選挙期間中は出版社前で抗議の演説をしていた。


首都圏住みたくない街ランキングとは別に
ポジティブな情報を推し出す動きもある。

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大山市長の選挙広報にも、あさだ市議のポスターにも
埼玉県内人口増加率第2位の記載が。

人口増加率第2位VS首都圏住みたくない街第1位
という政治的立場によって持ち出すランキングが違う形となった。

現在の八潮市の人口は約9万2000人
2005年の人口7万5000人から約1万7千人伸びている。
要因としては2005年につくばエクスプレスが開通するまで、駅がなかったのだ(電車効果つよ)

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正直、僕はつくばエクスプレスユーザーであるが故に
八潮は八潮駅しか知らないのでポジティブ印象しか持っていない。
怖いイメージといえば、唯一中学生時代に根性焼きをしていた先輩が
八潮市民だったぐらいだ。

ただ、調べると普通に怖い銃撃事件が起こったりしている。

ガチめなやつだ・・・

そんな中で待望化されているのが警察署の設置だ。

????????????
どういうこと!?
警察署がないってあんの!?
って感じだと思うが

八潮市議選でトップ当選を果たした福野みちる候補の政策に八潮警察署を早期開設させると書いてある。

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実は八潮市は草加警察署が管轄している。
人口10万人規模になると警察署が設置できるらしい。(知らなかった!!)
八潮市程、警察署を欲している地域はないと思う!!

八潮市に警察署ができれば、運転中にウマ娘をプレイするタクシー運転手も減らせるだろう(多分)

学校給食3453人集団食中毒事件後の選挙

今回の八潮市長選挙&八潮市議会議員選挙
様々な候補者の演説を聞くと
給食、給食、給食の大合唱であった。

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選挙カーの標語が
”子供たちに安全な学校給食を”になっている程だ!

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新人の内田あき子候補に関しては給食問題をきっかけに立候補した。(政治活動期間中に撮影)

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幟も給食に特化。

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選挙ポスターには市長候補2名とも給食問題を記載をしており、
市議候補8名記載している。(ポスター入れずに訴えている候補も多数)


給食の不味さをいじられ、もはやブランド化している"ハマ弁"を要する強豪横浜市の選挙を差し置いて、給食問題がメインに訴えられている選挙だ。


給食を訴える候補が多い背景として、
令和の時代には考えられない大食中毒事件があったのだ!

簡単に言うと、
給食を民間企業である東部給食センターに競争入札ではなく、随意契約で40年間使っていた。⇨3453人食中毒⇨4ヶ月給食休止(弁当持参)⇨給食再開(事件起こした東部給食センターのまま)⇨なんでやねん

という流れで荒れたみたいだ。
実際1割の生徒はそのまま給食を信用せず、弁当を持参したニュースも流れた。

現在は入札方法は変わったが、同じ食中毒を起こした会社が使われている。

ちなみにこの問題が話し合われた、学校給食審議会の意見は無視されている状態みたいだ。

各候補がどの方式にするのかを訴えていた。
①校内に調理室を作る自校式
②調理室を持つ学校が持たない周辺の学校分の給食を作る親子式
③複数の学校の給食を一括で作る公設のセンター方式

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とりあえず、新設校に給食室を作るのか今後ターニングポイントになりそうだ。

方式だけではなく、八潮市の給食の小松菜も批判の対象になっていた。

八潮市には”ハッピーこまちゃん”という八潮市役所所属のゆるキャラがいる。
ゆるキャラにしちゃうぐらい八潮は小松菜を推しているのだ。
ゆるキャラグランプリでの紹介文だ。

八潮の小松菜畑で生まれた「ハッピーこまちゃん」だよ。
頭はおいしい小松菜でできているんだ。好物は小松菜。夢はみんなを健康にすることだよ。
今年も応援よろしくね。

衝撃の事実を言おう。
八潮の給食の小松菜は地元産の小松菜ではない。ハッピーコマちゃん涙目

五輪効果でスケボー公約ブーム到来!?

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共産党推薦ぐんじ怜子候補の演説で衝撃を受けた。
「”スケボーパークを作る!という公約を出しております」

やべーーー すげーーー

僕は全国の選挙を観に行くが、
今まで演説でスケボーというワードを聞いた事がなかった。
しかも、スケボーのイメージがない共産党の候補からだ。
さらに、他候補もスケボーをビッタビタに入れ込み訴える。
五輪のメダルラッシュがスケボーを演説の舞台に導いたのだ。
※候補は五輪前から訴えていたという。
だが、限られた演説の時間の中に入れ込むのは五輪効果である。

話を聞くと、雨水を一時的に貯めて河川への雨水の流出量を調節する調整池を
雨ではない日はスケボー場として活用する
という提案だ。

ただ、これは突飛な提案ではなく、埼玉県の吉川市や千葉県柏市等の他自治体も動いている話だ。


スケボー✖️調整池という
今まで票にならなそうなスケボー集団を
選挙に巻き込むムーブメントが起こるかもしれない。


その時は政党間の駆け引きに使わず、
岡本碧優選手の演技後に選手が駆け寄って肩車した名シーンのような精神で取り組んで欲しい。

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八潮駅前の公園では、少年達が元気にスケボーを練習している。

市民ファーストの会公認で当選した議員のその後

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八潮市で立憲民主党の唯一の公認候補である大泉よしゆき候補。
4年前とかなり違う選挙戦だ。

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4年前は自身で立ち上げた市民ファーストの会公認で奇跡の当選を果たしていた議員なのだ!

2017年の都民ファーストブームの際、〇〇ファーストの会公認候補が全国各地で跋扈した。
市民ファーストの会は都民ファーストの会と全く関係ない組織だ。
〇〇ファーストを名乗った候補は軒並み落選したが、大泉候補は珍しく当選していた。
2017年758票。(最下位当選)
大泉候補は2013年は無所属で立候補し513票で落選している。
市民ファーストの会を名乗った事で250票の上積みに成功したと言えるだろう。

4年前も八潮市議選を見に行ったが、実際に勘違いしている有権者を確認した。

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そして、今回は立憲民主党公認候補としての選挙戦。
選挙ポスターだけ見ても
大改造!!劇的ビフォーアフターを見た後の感覚になる。

政治活動期間中は
枝野代表の音声が流れ
「立憲民主党の大泉よしゆき市議会議員を先頭に、立憲民主党はここ八潮市でも草の根からの民主主義、ボトムアップの政治を共に進めていきます」
と八潮市ver にカスタマイズされた音声が流れていた。

大声を出しづらい、コロナ禍において音声は最強であった。

さらに、大泉候補に関しては音声で+の部分がある。

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2013年の選挙からゴミを拾い続ける。
常にゴミを拾っているので、"ゴミの大泉"と呼ばれているらしい。(なんか嫌)
だからゴミ拾い中も音声がある事で時間を無駄にせず訴えられるのだ。

立憲の議員になり、
手伝う人の人数、広報のクオリティが上がり、市民ファーストの会で戦っていた人には思えない候補に化けていた。

結果と気になった候補と感想

市長選は現職の圧勝。

市議選は女性候補8名全員当選。

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女性最年少候補は自民系の(31歳)前原あゆみ候補

そして気になったのが
4位当選の大島あいと候補(41)だ。

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一見、純粋な無所属女性候補に見えるが、

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政治活動ポスターの相手は
オリーブの木で参議院選にも立候補していたみぞぐち晃一さんだ。!

やしおファイトの会と名乗ってある。

無所属新人であるが、オリーブの木から名称が変わったつばさの党のメンバーが多数応援に入っていた。

つばさの党に関してはマスクやワクチンに関する主張で物議を醸す事もあったが、
大島候補のビラにはそういった主張はなく、
イメージの良いビラの作りになっていた。

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無所属女性議員の浮動票+戸別訪問(他議員情報)もしっかり行っていたらしく
4位という数字を叩き出した。

一方男性若手新人候補には辛い結果に。

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フレッシュそうな若手4名が軒並み落選してしまった。
同じタイプが分散されてしまったのかもしれない。

最後の橋本たくま候補の
愛の力党という名前に関しては
千葉県知事選であの顔面白塗りメイクでお馴染みの
河合ゆうすけさんが党首を務める。

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橋本たくま候補の赤いスーツとかを見ると一見注目浴びたい候補の面影を感じるが
政策面等に関しては奇抜な内容ではなく
八潮市民が関心のある新庁舎建設問題や給食等
+動物愛護の内容を真面目に訴えていた。

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それも橋本候補は
元々"たちあがれ日本"に入党していたり、日本会議のバッヂをつけていたりと
政治信条を持っている。

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僕は「名前がたくまだから、熊のキャラクターなんですね!」
橋本候補「犬です」
と大失礼プレイをかましてしまった。

名前にくまが入ってる候補は熊を使用しがちという固定観念が熊谷知事のせいで
ありました。。。

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熊谷知事の熊のキャラクターは日本で一番タヌキに近い熊だと思う。

三匹の犬のキャラクターの名前は
はーくん
しおまる
じょーたん
八潮市が合併する前の潮止村、八条村、八幡村から1字をとっている。(ちゃんとしている)

小さい子や若者に関心を持ってもらおうと、キャラクターのステッカーを作ったが大量に余ってしまい不発。

やはり若い世代に関心を持ってもらうのは難しい。

橋本候補は最下位から2番目の265票であった。
活動時間は少なくなく、最年少候補でありながらも
選挙期間中だけ活動しているような候補にも負けてしまった。
個人的には愛の力党という名前が、普通の市民からするとふざけている様に見え、マイナスに働いてしまったと感じる。

最下位は大日本ラブドール党であった。

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一方無所属新人若手候補で唯一当選したのが小倉きよひこ候補だ。
話を聞くと色んな地区のJCの方の応援が入っており、
戸別訪問も徹底する地上戦を行っていた。
無所属新人男性候補は空中戦だけでは勝てない選挙であった。

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かなりスポーティーな自転車に乗って活動していた。
このタイプの自転車はめっちゃ足にくるらしい笑

無所属候補が多数存在していたので
日本維新の会候補は第3極票が前回より減り、危ないのではと感じていたが、票は減らしたもののの当選。

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気になったとこで言うと、
八潮維新の会という幟を政治活動期間中に掲げていた事だ。


という事で4年前に八潮市にトランプがいるらしいと噂を聞きワクワクして八潮に入り、

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結果、ほり出しものの堀というダジャレを浴びせされて落胆した八潮市議選から比べるとめちゃくちゃ興味深く、個人的に面白い選挙であった。

4年後も給食を訴えている選挙になるのか注目です。

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