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【ソシガヤ格闘記・第7週】エゴを出していくことに夢中になってもいいのかもしれない

こんにちは。初めまして。
慶應義塾大学メディアデザイン研究科修士2年、
休学中の吉田凌太(よしだりょうた)といいます。

土日に、彼女と2人で佐渡島へ行ってきました。心地よい波に揺られながら、新潟から足を伸ばし、絶品の海鮮料理を堪能しました。雄大な山々と海に囲まれた生活は、都会の窮屈さから解放されるきっかけを与えてくれました。金鉱業で成り立った佐渡の町では、遺跡としていまだに濃縮機や鉱石場が残っており、美化された歴史と剥き出しの遺跡が共存している感じが、とても印象的でした。

祖師谷の活動も徐々に萌芽してきました。特に、広場や街を活用したイベントを開催するまでの手順も明晰になりました。認知が少し広がった今、自分のあり方も変えます。従来の生活に沿った形で、波風立てずやっていくことも大事なんですが、同時に物足りない気もして。商店街や自治会の活動が連綿と続く日常に、小さな革命を起こせるとこってなんだろうか、これを必死に考えて夜も眠れません。

これまで数回話し合う場を開き、心に生まれたことがいくつかあります。話すことって、時として自己満足の手段になる。話し合った実績だけが取り立たされ、投稿やHPには「〇〇について話し合いました」と投稿がなされる。けど本質は動いていない。チャラい男みたいに束の間の幸せはうむが、解けるのも早い。つまりこれだけでは、到底無理があるということ。

そして何より、僕たちがサービス提供者になってること。一つ返事で「お手伝いします」ということは簡単でも、そこにエゴが消えてるのでは。だから最初は「みんなが主役」というテーマを掲げても、肝心の僕たちが禁欲的になっている。そこに自分への葛藤を感じます。知っています、街は1人ではできないことは。自分のエゴだけではダメだってことは。でもエゴすらない人間が、何ができるんでしょうか。若さだから、社会経験がないから、という言葉なしに、エゴなき人間に僕は魅力を感じません。なのでそういう人間にもなりたくはないです。

街のために」と言った形容詞を武器に、自分たちを押し殺してしまっている今。そんな自分が少し嫌です。もっと自分の欲を出していく、その段階を強く押し出していきたいです。だから今日を機に、少し自分を出してそれを広げるきっかけに変えていく意識づけをしていこうと思います。

フックとして、トヨタ財団のプロジェクトに応募することを決意しました。汎用的なテーマの中に、自分のエゴをどれだけ出せるか、頭で考えるのは得意ではありません。誰かに報告し、言葉にし、表現し、仮説を立てることでしか、前に進める感じがしないです。なので、あくまでフックとして応募して、他の人との意見交換やブラッシュアップの中で、精度を向上させていきます。

僕が今まちで力を入れたいこと、街に「移動者の視点」を入れ込んだ時にどのような連鎖が起こるかを観察し、実践することです。ずっと「よそ者、バカ者、若者」を筆頭としたわかりやすいラベルが貼られてきました。それらの対象が特殊で、社会から目立っていたからこそ、これまでラベル化されてただけなのではと思ってます。むしろこれからは移動者、入って抜けて、入って抜けて、流動率が著しく高くなれば、そのラベルは普通になります。支え方に関してもまちづくりを考えるとかだけでなく、有形無形に関係なく、もっと色々なパターンがあります。ご当地のアニメキャラのファンが街の経常収支を支え、海外から輸入されたOSやGPUが行政システムの基盤になったり、1人の天才作家が街のアイコンになったり。そもそもその場所固有なものって、勝手な妄想に過ぎないのではないでしょうか。もちろん歴史上積み重なったものもありますが、全てが一人称目線で書かれている以上主観の積み重ねにすぎません。

直近で言うと、デジタルノマドや人口流動が加速し、気候変動によって都市への集中が進む中で、もっともっと人口が移動してくるのは見えてます。祖師谷だけでなく、他の都市も同様です。


そこで僕たちができること、それは温故知新を体現すること、それだけです。商店街や街が紡いできた文化を守り、形に残し接点を作る、それは本だったりカルチャーだったり、時には科学だったり。手で触れたり、話したり、直感的に感じたり、身体性を伴いながら想像力を涵養していく機会を作る。同時に、参入者の目線でゆっくり止まれたり、途中から参画できたり、希望に応じては何かできたり、流れを断続機に作るダムのような場所を作る。人との出会いの場所のみならず、街全体を設計し、技術を足掛けにした新たな連携体制を作っていきます。

今後詳細は幾度となく変化していくでしょうが、根本は変わりません。具体的にデザインしたいことはいくつかあるので、僕の思い起点で今後も発信していけたらと思ってます。


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