投げ出しがちなめんどくさがり屋/怠け者が小説を書き上げるための小技②



なんとなく第二回です。意識低い系物書きシリーズなのです。


あくまでも『めんどくさいとか怠け心でモチベが維持できず一作を書き上げることが難しい人のためのお話』なので、よりクオリティを上げたいとか、なんかで賞を取りたいとか、そういう場合はもっと役に立つレベルの高い記事をご参照ください。


①を未読な方はぜひそちらをご覧ください。


前置き終わり。以下、小技の紹介です。



3:推敲はしない


推敲って、結構楽しくないですか。自分で書いた文章を読み返し、書きかけの原稿を読んであれやこれやと修正を加える。


イイ感じになった気がする。おおっ!より小説っぽくなったぞ! もう少し直そう! あー、ここも変えよう! ふふふ、物書きっぽいぞ。


楽しいですね。少なくとも、ゼロから初稿を書いている時よりは楽しいと思います。何故なら我々は面倒くさがり屋の怠け者だからです。

無から文章を書くより、書いてある文章をいじくるほうがラクなのです。

ですがここに落とし穴があると思います。


推敲はラクです。初稿よりラクです。だからハードルが低くてやりやすいし、やろうと思えば無限にできる。

しかし、気が付くと一時間とか経ってます。ストーリーは少しも先に進んでいないのにです。そのうえ、執筆をしたという達成感と心地よい疲れが得られます。 少しも先に進んでいないのにです 。


今日は頑張ったしもうこれ以上書かなくていいか! となります。我々は怠け者なので、いつでも怠ける理由を探しています。


あるいは逆のケースもあります。自分の文章のあまりのクソっぷりに嫌気がさし、それをなんとかしようと同じ個所をこねくり回し続けるのです。もちろんストーリーは進みません。


これを繰り返していると、いつまでたってもストーリーは完結しません。少しずつくらいは進んでいくかもしれません。しかしその歩みは本当に遅く、あるとき気が付いてしまいます。


『この小説、まだこのあとめっちゃ長いんだけど。ここまで来るのに半年かかったんだけど。いつ完成するのこれ?』


こうなると、モチベーションがダダ下がりします。完成が見えない作業を続けていくことは大変ですから。


そこでこの小技です。途中での推敲はしない。ただただ前に書き進め続ける。これです。

もちろん、誤字脱字やら明らかな間違いや追加したいところのために、翌日一回くらい見直すのは良いですが、それだけにとどめて、ガンガン進めるべきです。


この文章を書いたのは昨日の俺。それを読んでいるのは今日の俺。

昨日の自分と、今日の自分には、あまり大きな実力差はありません。それくらいなら、大幅に進めたあと振り返って直したほうが良い推敲ができます。


何故ならば、それだけたくさん書いたことによって筆力が上がっているから、その小説世界のことや登場人物たちのことをあの時より詳しく知っているからです。ちまちま戻って直すより、一気に進めて、より成長してるはずの未来の自分に推敲は任せましょう。


NO推敲で進めると、細かく推敲するより圧倒的に速く物語が進みます。


本一冊で10万文字くらいですね。それを踏まえて考えてみます。

ふと気が付いたとき「もう6万文字も書いた」のと「まだ2万文字しか書いてない」のでは、大きくモチベーションが変わります。ゴールが見えた時、人は頑張って走ることができるのです。


「ガンガン進めた荒い文章の6万文字」「何度も直してクオリティを上げた2万文字」。一作書き上げるという観点から言えば、より優れているのは前者だと思います。

私のデビュー作は『悪の組織の求人広告』というお話ですが、これは書き溜めゼロで始めて、書いたそばから読み返しもせず即更新していました。今読み返すと粗すぎてビビるのですが、それでも書き上げたことは私の自慢だったりします。



まとめ:クオリティを気にするのは、書き終える算段がついてからでも遅くはない



4:固有名詞は適当につける


これも時間をかけがちなところです。主人公やヒロインの名前、組織名、必殺技、物語にはいろいろな固有名詞が出てきますね。

じっくり考えたくなります


読者に好かれるように、裏の意味を持たせて、響きもいい感じで、中二感もほしい。あーでもないこうでもない。


やめましょう。もちろん、素敵な固有名詞がつけられたらそれは素晴らしいことですが、時間がかかるし、意外と疲れます。そして考え抜いたすえにバッチリの名前が決まったら、もう満足してしまいます。『物語じゃなくて設定集が出来たよ現象』と似たものです。

それよりはさっさと先に進んだほうがいいと思います。


しかし固有名詞をつけず、〇〇は~、△△は~、と仮称で進めるのもおすすめはできません。そうすると、書いているほうの気分が乗りにくく、キャラの輪郭がつかみづらくなるからです。


そこで適当につけます。最初適当につけた名前でも、書いているうちに愛着がわいて、キャラ付けに影響するようになります。後付けで名前の裏の意味や由来なんかをつければよいことです。


以下は私がこれまで使った作中の固有名詞です。いかにテキトーかわかるかと思います。


小森寧人(こもり ねいと)

⇒ひきこもりのニートだから


メタリカ

⇒書いてるときPCの横にあったCDラックの一番上にあったバンド名そのまま


※この小説では、のちに全キャラクターをロックバンドから名前をとる、という制度を採用しました。

結果、小森寧人はネイト・ルイスというバンドマンから名前をとったことにしました。ネイト・ルイスはフレディ・マーキュリーの再来と呼ばれるボーカリストなのですが、小森寧人の先代にあたる人物に水星藤次郎と名付けました。水星⇒マーキュリーです。

また、水星藤次郎はメタリカという組織のボスです。メタリカのバンドメンバーにはロバート・トゥルージロという人がいます。トゥルージロ⇒藤次郎です。

後付けサクサクです。



岸本アキラ

⇒その時見てたバスケの試合に出てた選手の名前の複合



鈴村翼、美波葵

⇒A〇女優の名前の複合


※〇V女優の名前を使ったのは、ああした名前はプロの人が「可愛い雰囲気の名前」を真剣に考えてつけているはずだからです。私が必死に可愛い名前を考えなくても、もっと上手い人がいるのだからそれでよいのです。


まとめ:固有名詞で悩んで止まるくらいなら、テキトーに決めて進めよう。


繰り返しますが、これは意識低い系の執筆論で、書き終えるためのお話です。より良いお話を書くのならばもっと考えましょー。


ここまで読んでいただいてありがとうございました。





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