投げ出しがちなめんどくさがり屋/怠け者が小説を書きあげるための小技



noteです。最近よく見かけるので、ちょっと書いてみます。


何書こうかなー、好きな酒とかバイクの話でも書こうかなー、とも考えたのですが、おそらくこの記事を発見するような人は小説が好きな人でしょうし、私は一応小説家なので、小説を書く上で役に立ちそうなことを書くことにしました。


他の方がやられているような立派な創作論とか、世界観やキャラの構築に必要な技術指導とかではないです。


曲がりなりにも一作書き上げるための、途中で投げ出さないための話です。

「書き始めたけど途中でやめた、未完成作品ばっか」って人、結構いませんか。だって小説書くのって意外と大変だし、他に楽しくてラクなことはたくさんありますから。



そんなわけで「書き進めるうえでちょっと役に立つかもよ。俺は役に立ってるから」くらいの、私なりのコツを紹介していきます。多分「書いてるけどなかなか進まないな……やる気が出ないし、面倒くさいし……」という人向けかと思います。私がそういう人だからです。ちょっと他にみないくらいの面倒くさがりの怠け者なのです。


以上前置きでした。以下、喜友名トトの思う、小説書く上での小技です



1:キリのいいとこまで書かない。


一日で、小説全文を書き上げるような超人でなければ、たいていの人は何日かにわけで小説を書き進めていくことでしょう。この際、昔の私は「キリのよいところ」まで書いて、続きは後日、としていました。これは悪手だと思います。


「キリのいいところ」言い換えれば、『シーンごと』です。


  小説にはシーンというものがあります。いくつかのシーンが繰り返され、一つの物語となるわけです。「おばあさんが川に洗濯にいって桃をみつけるシーン」⇒「家に持って帰って桃を割ったら子どもが出てきたシーン」⇒(略)というようなものですね。  


何故シーンごとに区切るとよくないのか。それは、次に書くときの初動のためです。

シーンの終わりまで書くと満足感があります。いわば「小さな終わり」を体験できるからです。


同時に、次の、切り替わったシーンを書くとき「小さな冒頭」からやらなければいけなくなります。冒頭を書くのは、なかなか難しいものです。その小説世界に意識をいれるところからはじめなければいけないですし、そのシーンの舞台やら登場人物やらから書かないといけなくて億劫だし、次にPCのスイッチをいれる際の腰が重くなります。前回シーンを終えたことで『ノリ』のようなものがリセットされてしまうのです。


なので、「あえてキリの悪いところで中断する」がおすすめです。例えば『戦闘シーンの真っ最中』『ヒロインからの告白の言葉を受けた主人公の反応待ち』なとこです。私は一文やセリフの途中ですら途中で止めます。ノッてきたところで、もう少し書きたいところであえて止めます。


例)

 赤鬼の金棒が桃太郎を襲った。城壁を破壊することすら可能と思われる一撃が、桃太郎の眼前まで迫る。それに対し、桃太郎は腰の刀を抜【中断】


こんな感じです。こうしておくと、なんか気持ち悪いからさっさと続きを書きたくなりますし、、次に書くときの一行目が格段に速いです。だって、次の一文字は「き」に決まってますから。しかも、前回ノッているときに中断しているので、そのままのノリで再開できます。


前回の執筆のときに書いた「鬼と桃太郎のバトルシーン」なので、さらさらと書けます。そして、さらさら書いているうちに次のシーンも流れで書けます。


  文章というのは、書き始めてしばらくしてからやっと筆がノッてくるものだと思います。 あえてシーンの途中から続けることで、初動を軽くして、軽い初動を書いているうちに筆をのせて次のシーンに移る(そしてまたシーン途中で止める) 


こうすることで、次の執筆までの間を短くして、かつ速度をあげます。



まとめ『一からシーン起こしをするより、中断しておいたシーンを再開させたほうがいいよ』


2:座る

これは簡単なことなのですが、執筆ツールを起動して、その前に座ります。スタンディングデスクの人は立っててもいいです。小説は書かなくてもいいです。座るだけです。



PCを起動して、時間を30分とか1時間とか決めて座りましょう。繰り返しますが小説は一文字も書かなくてもいいです。ただ座るだけです。ただし、座った状態で漫画を読んだり、スマホを見てはダメです。許されるのは、ぼーっとすることだけです。


いいですか? 覚えていただけましたでしょうか。


小説を書くのって、面倒くさいじゃないですか。ダラダラ漫画読んでるほうがラクじゃないですか。だから「よっしゃ、今から小説書くか!」と書き始めるのって、気合が必要です。


それに、いざ書き始めると疲れます。だからイヤなんですよ。面倒で疲れるしイヤだから、なかなかやる気になりません。我々のような意志の弱い怠け者にとっては『書く』という行為は着手するハードルが高いのです。


だからPCの電源を入れることがなくなり、「やらなきゃ」と思いつつもなんだかんだ言い訳してやらなくなります。ベッドでごろごろスマホぽちぽちしだします。気が付けば何時間も立っていて、今からじゃ書く時間がありません。明日にしましょう。

そんなことを繰り返しているうちにいつの間にか何書いてたのかすら忘れて、書かなくなってしまいます。


覚えがありませんか。毎日書くぞ! と思って始めたのに、なんか面倒くさくて気分が乗らなくて、いつのまにかやめたこと。……私はめっちゃあります。


そこでさっきお話しした『座るだけです』。座るだけなので、書かないといけないプレッシャーを感じることもないし、始めるのがラクです。ハードルが低いです。


さあPCを起動して、執筆ソフトを立ち上げて、しかしなにもせず1時間ぼけーっとしましょう


……暇になってきます。そりゃそうです。現代人は、ただなにもせず何十分も座っているようなことはないですから。時計を見ます。まだ10分しかたっていません。


目の前には書きかけの小説があります。『暇つぶしにちょっと書くか』って気になります。

別に書くつもりで座ったわけではないので、もちろん書かなくてもいいです。だから気楽なもんです。意図的に低くしたハードルで初めて、運よく書く気になったら書けばいい。

そんだけです。


ここで大切なのは、座る前に「執筆」を意識しないことです。書かなくてもいい、決まった時間座っていればいい。そんな気持ちで座っていてたまに書く気になったら儲けものです。もしただ座っていたけで終わってもいいのです。忙しい中、30分くらいぼけっとするのも贅沢な時間の使い方ですし、どうせ同じ時間スマホいじってたとしても大して得るものはありませんから。


 そんな気持ちでいると意外と書けます。最近執筆ツール立ち上げてすらいないなぁ、っていう人はぜひ試してみてください。私はこの方法で先月一か月で10万文字書きました。偉いです。


まとめ『やる気がしないときはやらなくてもいいから、やれる状態を作ってぼけっとしよう』


以上、怠け者の面倒くさがりの人むけの、私がおすすめする小技でした。


他にもいくつかあるのですが、あんま一度にお伝えしてもウザそうなのでやめます。


役に立ったよー、面白かったよー、というご意見があれば、そのうち他のも紹介するかもしれません。あるいは質問とか、こんなこと話してー、ってことがあればお伝えください。


ここまで読んでもらってありがとうございました。



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