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空間コンテンツのリアリティに必要なこと その2/2 ~3DoFと6DoF~

前回、360度カメラで撮影した映像の何か感じる違和感・・・の話を書きました。

復習しましょう。
人が左右に移動して手前と奥の物体を見た時、

左右の移動

こうみえますよね。
手前と遠くの物体の位置関係が変わったり、奥の物体や景色で見えなかったところが見えたりします。
つまりこういうことですよね↓

そして、一切移動せず首を回転して周りを見た場合が、

首を左右に振った場合

こうみえますよね。
手前と遠くの物体の位置関係が一切変わりません。
つまりこういうことですよね↓

3DoFと6DoFについて

ここでもう少し話を深めます。
「DoF」という言葉をご存知ですか?

Degree of Freedomの略称で、「自由度」を表します。

3DoFや6DoFの数字は、このVR体験において感知できる動きの方向数を意味します。それぞれの違いについて説明します。

3DoF(3 Degrees of Freedom)

3DoFは、X軸・Y軸・Z軸周りの3つの回転動きに対応します。具体的には、以下の動きが含まれます:

  • ピッチ(上下の回転)

  • ヨー(左右の回転)

  • ロール(横方向の傾き)

普通に360カメラで撮影したコンテンツは、3DoFコンテンツになり、VRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)側が、ユーザーの頭の回転や傾きを感知し、周囲の映像を眺め体験することができます。

3DoF(3 Degrees of Freedom)

6DoF(6 Degrees of Freedom)

6DoFは、3DoFの動きに加えて、以下の3つの移動動きにも対応します:

  • 前後の移動(Z軸方向)

  • 左右の移動(X軸方向)

  • 上下の移動(Y軸方向)

6DoF対応コンテンツでは、ユーザーは頭の回転や傾きに加えて、自分の位置をVR空間内で追跡することができます。これにより、実際に体を動かしてVR空間内を歩き回ることができ、より現実的な没入感を得ることが可能です。体をそこまで動かさなくても人は、わずかに左右や上下に動いたりします。
そういうときにリアルな体験をもたらすことができるようになるのです。

6DoF(6 Degrees of Freedom)

6DoFのコンテンツを360度カメラで撮影できるのか?

6DoF(6 Degrees of Freedom)のコンテンツは、通常の360度カメラだけでは撮影できません。360度カメラは空間の全方位を記録できますが、それは視点の回転(ヨー、ピッチ、ロール)に対応する3DoF(3 Degrees of Freedom)に限られます。

6DoFのコンテンツには、視点の移動(前後、左右、上下)も必要となります。これを実現するには、以下のような技術やカメラが必要です:

複数のカメラを配置して、異なる視点から同時に撮影します。この方法では、後処理で視点間のデータを統合し、6DoFの体験を生成します。

複数のアングルから撮影をして全てのオブジェクトをスキャン状態にしないといけません。

Volumetric Capture(ボリュメトリックキャプチャ)システムを使う方法もあります。
複数のカメラとセンサーを使用して、対象物の形状と位置情報を3Dでキャプチャします。このデータを基に、視点の移動も可能な6DoFの体験を提供します。

これらの技術により、視点を回転させるだけでなく、空間内を移動しながら360度の環境を体験できるようになります。
従って6DoFのコンテンツを作成するには、単一の360度カメラでは実現できないのです。

こんな記事でも書きましたが、スキャン技術も進化しています。

私が趣味で那覇でスキャンしたやちむん通りの脇道

6DoFはより高い没入感を提供し、VR体験をよりリアルにするために重要なな要素と言えますね。

ちなみにNeoRealXのスタッフが書いたこんな記事もあるのでご参考までに!


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