防衛費倍増は絵に描いた餅


5年後に防衛費を二倍にすることは、ぼくは実現できないと思っています。仮にできても長続きはしないでしょう。スプリンターがマラソンに挑戦するようなものです。
何しろ大東亜戦争末期より大きな財政赤字があります。殺された安倍晋三とその子分の清和会は国債刷りゃいくらでも防衛費の増大ができるという嘘をつき、未だにそれを取り下げていません。

その理屈ならばあらゆる政策の財源は無限に刷れる国債を財源とできるわけです。ならば所得税も消費税も法人税も必要ない無税の極楽浄土登場することになります。

そんな、そこいらの一山いくらの転生もののラノベ以下の設定をまことしかに吹聴する政治家を信用してはいけません。

岸田政権は政権運営のために党内最大派閥たる清和会を無視することはできないにしても、国債擦りまくりは許容せず、財源を確保するということで決着をつけました。
そこには本来の国防議論ではなく、単に党利党略と派閥の都合しかありません。とても責任与党の所業とはいえません。


自民党、防衛財源に予備費活用案 巨額計上で規律後退
増税額の圧縮狙う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA035RV0T00C23A4000000/

>自民党内で防衛費の増額に充てる財源に2022年度の予備費を活用すべきだとの案が浮上した。およそ3.8兆円ほど余った予備費の一部を転用し、27年度で1兆円強に及ぶ増税額を圧縮する狙いがある。

>自民党は1月、防衛財源の確保策を検討する党の特命委員会(萩生田光一委員長)を設けて議論を重ねてきた。増税幅の圧縮に向けて税以外の財源を検討したものの、追加的な財源捻出は難しいとの認識が広がっている。

頭が韓国カルトの棟梁を真のお父様と敬愛してズブズブの萩生田氏であるわけで胡散臭さ満載です。

>浮上したのが予備費の活用案だ。22年度は一般予備費とは別に、新型コロナウイルス・物価高対策予備費を当初と補正で計9兆8600億円計上した。通例の3000億〜5000億円を大幅に上回る。

>足元には2兆7785億円が残る。第2次補正予算で新設した1兆円の「ウクライナ情勢経済緊急対応予備費」も手つかずのままだ。22年度の残額は過去最大となった。

>予備費にはルールがある。年度内に使わなかった残額は「不用額」とみなされ、剰余金の一部となる。剰余金は財政法の規定に沿っておよそ半分は借金返済に充て、残りは補正予算などの財源に回してきた。
>半分を防衛費に使えば2兆円弱が充てられる計算となる。特命委幹部は「剰余金がこれだけあれば、国債償還ルールの議論に踏み込まなくても財源が確保できる」と言明した。

これは事実上国債発行と同じです。本来余剰金を国庫に返して債務を削減すべきです。
65兆円しか税収が無いのに、100兆円を超える予算を組むこと事態も本来見直すべきです。

>鈴木俊一財務相は予備費の残額の全てが「決算剰余金の増加につながるものではない」とくぎを刺した。

>赤鈴木氏は3月28日の記者会見で「特例公債(赤字国債)の発行額の抑制に努める」と語った。党幹部からも「赤字国債を使っているだけで新たな財源になっておらず、責任政党として情けない」との声があがる。
党内議論の混乱は防衛費や子ども関連予算の増額を巡る議論で、財源論が後回しになってきた手法も背景にある。

まさに安倍派の所業です。あの男が未だに生きて、政権に対して影響力を発揮していたらと思うと背中が冷たくなります。
そもそも2年前の秋の選挙の自民の公約の防衛費GDP2パーセントは、新聞は報じませんでしたがぼくはその根拠がこれまでの我が国の基準なのか、NATO基準なのかも決まっていなかった胡乱なものだったことを明らかにしました。その後財務省がデータを出すに至って新聞も後追いで報じるようになりました。

そもそもが防衛費GDP2%に何ら軍事的な整合性もありません。ところが清和会のケツを舐めるがごとく、本来は中立的に防衛に関する見地を提供すべき防衛研究所が清和会の
広報機関よろしく、メディアでその権威を利用してGDP2パーセントを宣伝してきました。防衛研究所は有害なだけで潰すか、主要スタッフの総入れ替えをしたほうが宜しいかと思います。

>岸田文雄首相は22年12月、防衛費の増額分の一部を増税でまかなう方針を突如表明した。党の税制調査会で反対論が続出し、増税時期など制度詳細を曖昧にしたまま43兆円の防衛費を決定していた。

更に問題なのは浜田防衛大臣もみとめておりますが、自民の国防部会の会議において、防衛費の財源として「ふるさと納税」の廃止は全く訴状にも乗らなかったわけです。
「ふるさと納税」は菅義偉が人気取りのために始めた、衆愚迎合のばらまき政策で、事実上「ふるさと脱税」です。年間5千億円が返礼品や手数料という名目で徴税からダダ漏れして「税金チューチュー」されています。
本来即時廃止にして、その分国庫に税金を入れるべきですが、それを防衛費に利用することすら政府与党の「国防の専門家」の会議ですら取り上げられませんでした。

要は強い国を演出するための「設定」である防衛費2倍を強行するのが清和会と国防部会のやりたいことでしょう。

ですが、今後金融緩和持続が無理なのは既定路線です。であれば金利があがり、国債の発行は自動的に制限され、国債償還費用は膨らむでしょう。少子高齢化で国の経済規模は減っていきますから、増税と社会保障費負担しか手がありません。そうであればますます可処分所得は減りますから、今後大変な思いをすることになります。
その環境で能天気に軍事費青天井だ、などと白日夢を見ることは不可能でしょう。

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